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徳目
「徳目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
徳目の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼《まなこ》を曝した。凡百《ぼんびゃく》の戒行
徳目《かいぎょうとくもく》も修せなんだものはない。その方《ほう》づれの申す事に気....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ルという代りに道徳という日本語で結構なのである。道徳というのが別に道徳律や修身の
徳目を意味する必要のないように、モラルといっても必ずしもいわゆる心理に限る必要は....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
的に取り扱うことが出来ない。 この第二の常識的惰性に直接関係あるものは、云わば
徳目道徳主義である。道徳を善悪問題と決めて了い、やがて道徳は善だと決め、それから....
「青年」より 著者:森鴎外
ません」純一は稍やわざとらしい笑をした。「つまり貧乏人の世帯調べのように、自己の
徳目を数えて見て、貞操なんということを持ち出したのです」 「なる程。人間のする事....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
に他ならないが、之を裏づけていると考えられる道徳意識――必ずしも固定した道徳律や
徳目や国民道のことではない――を私は、特に道徳と呼びたいと思う。なぜというに、道....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
や習慣は、「社会」の方に含まれる。で夫は今云う道徳ではない。もっと主観的な良心や
徳目なども亦、社会意識=社会心理としてのイデオロギーであるから、要するに「社会」....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
強力な同志的な結合をもっている宗教団体でありまして、貧乏、童貞、服従という三つの
徳目をモットーといたしまして、人間個人の一切の私利とか私慾とかいうものを捨離して....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
もつとめて来た、友愛・正義・自主・自律・創造、といったような、社会生活の基本的|
徳目は、今のかれには、全く力のない、空疎な言葉の羅列でしかなかった。そしてそこに....
「日記」より 著者:宮本百合子
人は、我々のように、純粋にそれ丈感じず、部分的な、正直、熱誠、落付きなどと云う諸
徳目を認め、総合したのではなかろうか。 はっきりしないが、或動かせない思考方法....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
ことを唯一の仕事とする、あの倫理学や何かと必ずしも関係があるのではない。道徳律や
徳目のことではない。人間の自覚生活に於ける心理としての良心と云ったものの方が、ま....