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「徴候〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

徴候の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は殆《ほとん》ど不可解である。中学程度の教科書に便利であることは認めるにもしろ。徴候 恋愛の徴候の一つは彼女は過去に何人の男を愛したか、或はどう言う男を愛し....
或る女」より 著者:有島武郎
しかしこの時も葉子は自分の心で倉地の心を思いやった。そしてそれがどうしてもいい徴候でない事を知った。そればかりではない。二人《ふたり》は霞《かすみ》を食って生....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
成虫がうざうざするほど集まった。麦類には黒穂の、馬鈴薯《ばれいしょ》にはべと病の徴候が見えた。虻《あぶ》と蚋《ぶよ》とは自然の斥候《せっこう》のようにもやもやと....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
の驚きもさる事ではあるが、診察に来てくれた二人の医師が口を揃《そろ》えて、結核の徴候があるといった時には、私は唯《ただ》訳もなく青くなってしまった。検痰《けんた....
星座」より 著者:有島武郎
、清逸は「折焚く柴の記と新井白石」という論文をし上げようとした。物に熱中した時の徴候《ちょうこう》のように、不思議にも咳は出てこなかった。たまさかに木の葉の落ち....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
分を給与する。今日の日暮はたしかにその機であった。ぞっと身振いをするほど、著しき徴候を現したのである。しかし何というても二人の関係は卵時代で極《きわ》めて取りと....
第五氷河期」より 著者:海野十三
らわして、博士に迫っていった。博士は、それをきくと、大きくうなずき、 「氷河期の徴候は、もうだいぶ現われはじめている。第一は、このごろの、へんに熱くるしい気温の....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ことであるが、ひょっとしたら妾の身体には自分で観察することの出来ない箇所に異常な徴候が印せられているのではあるまいか。それを専門的知識をもって十分に診察してくれ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
まで僕が見た、肺で死んだ幾人かの人の、もう末期に幾ばくもない時のような、いろんな徴候を持っていた。僕はこれやもう一月とは持つまいと思った。それでも、僕が悪かった....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
藤村女史と行きました。とても、可愛らしい」とか。 いよいよ彼女は現実を遊離する徴候を歴然と示して来た。 復一はそのバロック時代なるものを知らないので、試験所....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
期待していた最後の二枚にも、遂に何の異状もなかった。暗号らしいものの隠されている徴候は、一向発見されなかったのである。 「そんな筈はないんだが……もし、蓄音機が....
地球要塞」より 著者:海野十三
るものにして、その理由は、実に、わが地球が、地球外の強力なる敵より、襲撃せらるる徴候《ちょうこう》見えしによる」 「地球外の敵? はてな、ではその敵というのは、....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
したりしたが、それもほとんどなくなつた。昨年の秋からは、妻にも明らかに栄養失調の徴候が現われ始めた。要するに、現在は妻にとつて結婚以来もつとも苦難の激しい時であ....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
に、その女の言語、動作を熟察するに、かつて常人と異なるところなく、毫も精神異常の徴候を発見することあたわざるはなんぞや。さりとて、故意説にもなお疑わしき点なきに....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
いに進歩の実跡を見たるも、その衆目に触れざる事業にいたりては、いまだ寸分も進歩の徴候を見ず。例えば、風俗交際のごとし、精神気質のごとし、人物人品のごとし、徳義の....