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心の月
「心の月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心の月の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
ら、橋の下の尾生の死骸を、やさしく海の方へ運んで行った。が、尾生の魂は、寂しい天
心の月の光に、思い憧《こが》れたせいかも知れない。ひそかに死骸を抜け出すと、ほの....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
にある、草山《くさやま》の楡《にれ》の木の下には、髯《ひげ》の長い一人の老人が天
心の月を眺めながら、悠々と腰を下していた。物静な春の夜《よ》は、藪木《やぶき》の....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
白銀を磨いた布目ばかりの浪もない。目の下の汀なる枯蘆に、縦横に霜を置いたのが、天
心の月に咲いた青い珊瑚珠のように見えて、その中から、瑪瑙の桟に似て、長く水面を遥....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
る。男は動ぜずして水馴竿を繰っているが、女の子は、「ああ、よいお月様」と、まず天
心の月に向って讃美を試みたのですが、さて湖面に甚《はなは》だ物足らないものがある....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
時の心は冴えたる月のようなもので、誠に清らかで晴々としている所、煩悩の雲が掛り、
心の月を曇らせますと申すは、向うでヒラ/\と青い札を勘定して居ると、あゝ大層札を....