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「心も心ならず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心も心ならずの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
突貫紀行」より 著者:幸田露伴
動きも得《え》したまわず病蓐《びょうじょく》の上に苦しみいたまえるには、いよいよ心も心ならず驚《おどろ》き悲しみ、弟妹等の生長せるばかりにはやや嬉《うれ》しき心....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
落ち着いて居るだろうが、彼の電報が猶秀子の手に渡らずに有って見れば、当人は今以て心も心ならずに居るで有ろう、早く逢って安心させて遣り度い、イヤ今は安心させる訳に....
古き小画」より 著者:宮本百合子
出来なかった。けれども、父の他にイランにこの年配の戦士が在ろうか。スーラーブは、心も心ならず、屡々顔を見、遂に、万一を恃《たの》んで訊いて見た。むごく撥ねつけら....
註文帳」より 著者:泉鏡花
る処のないような、しかも情の籠った調子で、かえって慰めるように謂った。 お杉は心も心ならず、憂慮しげに少年の状を瞻りながら、さすがにこの際|喙を容れかねていた....
葛根湯」より 著者:橘外男
用ができんと言うのだ!」 と呶鳴り出したが、今にも眩暈が始まってくるかと思えば心も心ならず、またぞろ頭を抱えた。 「俺はつくづく君が憎くなる! 人が厭だと言う....