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心を寄せる
「心を寄せる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心を寄せるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
左大臣|頼長《よりなが》であった。彼は師の信西入道をも驚かすほどの博学で、和歌に
心を寄せる兄の忠通を常に文弱と罵っているほどに、抑えがたい覇気と野心とに充《み》....
「岩石の間」より 著者:島崎藤村
立っていた。讃美歌《さんびか》が信徒側の人々によって歌われた。正木未亡人は宗教に
心を寄せるように成って、先生の奥さんと一緒に讃美歌の本を開けていた。先生は哥林多....
「新生」より 著者:島崎藤村
い作者を記念するための新刊の著述なぞが本屋の店頭《みせさき》を飾っていた。学芸に
心を寄せる岸本のような男に取っては、そうした新刊書の眼につく飾窓の前を通りながら....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
々の、立派な紳商や武家もありましょう。それらの人をさしおいて、特別に女があなたに
心を寄せるというには、何かあなたにひきつけるところがなくてはならぬはずです。だが....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
平田門人との結びつきが一層親密を加えたことは、その一つであった。西にあって古学に
心を寄せる人々との連絡のついたことは、その一つであった。十二年の飯田を去った後ま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
州にはすでにこの藩論の一定がある。美濃から飛騨地方へかけての諸藩の向背も、幕府に
心を寄せるものにはようやく有利でない。これらの周囲の形勢に迫られてか、大垣あたり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ということであったら、それこそ彦麿もにぶい人のそしりをまぬかれまい。まこと国学に
心を寄せるほどのものは恋をとがめないはずである。よい人は恋を許すが、そうでない人....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
《しもつけ》の那須、上野《こうつけ》の館林までも威※《いえん》は達し、其城主等が
心を寄せるほどに至って居る。特《こと》に去年蘆名義広との大合戦に、流石《さすが》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、一方も、わざわざ迎えに来たと言いながら、むしろ、人には背《そびら》を見せて月に
心を寄せるように、すすき尾花の中に立っていました。 「細い道だから、遠慮をしてい....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
へ攻め来りそうになった。しかのみならず、県下でも、宇和島、大洲方面には大分西郷に
心を寄せる者もあって、少しも油断のならぬ状況になった。或る日警察課長の武藤某氏が....
「魔像」より 著者:林不忘
お察し下さい。わたしゃ口惜《くや》しいのだ――あんな、あんな、お尋ね者に、お妙が
心を寄せるなんて――」 「シッ、コレ、幸吉どん、ここをどこだと思う? 殿様の前で....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
を発達させました。柾目だとか木目だとか、好みは細かく分れます。こんなにも木の味に
心を寄せる国民は他にないでありましょう。しかしそれは凡て日本の地理から来る恩恵な....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
はおろかなこと、未来まで、わたくしの心に結んだお人の名は宮本武蔵様。そのほかに、
心を寄せるお人があってよいものでしょうか。……まして貴方のような女々しい男、お通....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼が呶々と説明するのを聞けば、こうであった。 日頃からだが、近畿一帯には宮方へ
心を寄せる反幕府の郷士、神官、雑民どもが、野に充ちているといってよい。 当然。....
「持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
を健全に導くようである。人間を豊かにすることも否めない事実だ。われわれが料理に関
心を寄せる点は、ここにもある。美味い美味いの連続で、舌と心をよろこばせ、それが心....