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心を痛める
「心を痛める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心を痛めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
を覚えるに至った。私は自然、自分の幸福を感ずるようになり、古い悪事を想起する事で
心を痛めるようにもなった。自分が精神上の片輪であると云う意識が眼覚めてからは、何....
「蒲団」より 著者:田山花袋
れ勝な心、うかれるかと思えばすぐ沈む。些細なことにも胸を動かし、つまらぬことにも
心を痛める。恋でもない、恋でなくも無いというようなやさしい態度、時雄は絶えず思い....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
る時も、大抵の場合彼女もそこにあった。それに彼は多勢の子供の世話をしてくれる妻の
心を痛めるようなことは、絶対にできなかった。今庸三は孤独の寂しさ不便さとともに、....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
は、向う見ずな! 泥棒などに近づいて、もし負傷などなされたら、わたしがどのように
心を痛めるか――」
「いえいえ、ただ、言葉をかけてやりますと、バラバラと逃げ去っ....
「二つの家を繋ぐ回想」より 著者:宮本百合子
気位を以て亢奮し、Aは涙を出し、父が、誘われたようにして居られる光景は、充分私の
心を痛めるものだ。 Aが 「斯う云う風に思いかえして下されば、僕もどんなに嬉し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るとおかしいことがあるのじゃない……思いやりも、あまり真剣になるとかえって、人の
心を痛めるような結果になりはしないかと、わたし、よけいな心配をすることもあります....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
てくる。一体僕は何を求めているんだろう? 自分でも分らないんだ。そしてよくお前の
心を痛めるようなことを云ったりしたりする。許してくれ。実際長い間こうして病気で寝....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
におっしゃいませんでしたか。」
彼女になるべく口をきかせないように、また彼女の
心を痛めるようなことをしないようにと、医者は人々に頼んだ。彼はまた規那皮《きなひ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いには煮えくり返って、憤怒に終わるのが常であった。そして後には、あきらめをつけて
心を痛めるものをじっと受け入れようとするほどになっていた。彼は自ら説き聞かしてい....