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「心一杯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心一杯の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
兼苦労|而已《のみ》をしていたのが、今日は外《ほか》に掣肘《ひかれ》る所もなく、心一杯に勉強の出来る身の上となったから、ヤ喜んだの喜ばないのと、それはそれは雀躍....
氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
少しだわ……」 「なにが?」 「――……」 志野は首をかしげ、憧れと楽しさとが心一杯という笑顔をした。 「――今にわかるわよ」 土曜日に、房は須田へ遊びに行....
黄昏」より 著者:宮本百合子
ところに出ては、のぶ子も話の続きをし難く見えた。 おくめもまた、聞きたいことは心一杯なのだけれども、何となく、言葉に出しては云い難い。 そのうちに、グヮー、....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
る心持は、すっかりどうかなってしまって、不安な焦躁《もがき》と、倦怠《だるさ》が心一杯に拡がった。あまり丈夫そうにピンピンしている者を見ると、「ちっとは病気もす....
美しき月夜」より 著者:宮本百合子
は、何かひどく明白なもの、胸が悪くなるほど、図々しく白ばっくれて解りきったものが心一杯に詰っていた。何か惨酷な、血みどろな、プンと鼻を突く嗅《にお》い、自暴自棄....
吠える」より 著者:宮本百合子
のだ。彼は益々長く切なく声尻を引張って遠鳴きする。彼方の狂人も、それに応えては、心一杯ウォーイと繰返す。この二重唱が起ると私は、いつも、始めのうちは極めて渋い涙....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
く洗い去る程の涙をポロポロとこぼして居た。 生きて居ても仕様の無い様な淋しさが心一杯に拡がって来るので有った。 翌日は午前に、重三はお関に連れられて近所廻り....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
色と黄色でした。それは大変素朴で、真情的な咲きかたをしていました。その花たちは、心一杯で手足の短いような恰好をして、と私が笑いながらこの前の手紙にかいたこと、お....