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心事
「心事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「広津氏に答う」より 著者:有島武郎
に、正しい関係を持ちきたしたいと苦慮している、これが私の心の実状である。こういう
心事をもって、私はみずからを第一の種類の芸術家らしく装うことはできない。装うこと....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
世の中には今や大なる変化を生じつつある。しかし僅々三十年後にはなお、社会の最大関
心事が依然として経済であり、主義が戦争の最大原因となるとは考えられない。けれども....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
子に最も卑しむべき多情の汚行といわれても立派な弁解は無論できない。しかしよくその
心事に立ち入って見れば、憐むべき同情すべきもの多きを見るのである。 おとよさん....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
弘法大師もあれば、不動明王もある。なんでも来いである。ここへ来れば、たいていの信
心事はこと足りる。ないのはキリスト教と天理教だけである。どこにどれがあるのか、何....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ち国家の危機に際して、対世界の見地より経綸を定めたりなど云々するも、果して当人の
心事を穿ち得たるや否や。 もしも勝氏が当時において、真実外国干渉の患あるを恐れ....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
、恐しき息を吐き、怪しき水掻の音を立てて、紙上を抜け出で、眼前に顕るる。近来の快
心事、類少なき奇観なり。 昔より言い伝えて、随筆雑記に俤を留め、やがてこの昭代....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
治家の経営にもまた必ず若干の遊戯的分子を存するはずで、国事に奔走する憂国の志士の
心事も――無論少数の除外はあるが――後世の伝記家が痛烈なる文字を陳ねて形容する如....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を労らせ肩をはらし命を※り取られて一世を送るも豈心外ならずや」云々とあるは当時の
心事を洩らした述懐であって、二葉亭はこの文章上の困難に一と通りならない苦辛をみた....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
り過ぎていた。が、同時に入露以前から二、三の露国革命党員とも交際して渠らの苦辛や
心事に相応の理解を持っていても、双手を挙げて渠らの革命の成功を祝するにはまた余り....
「火夫」より 著者:カフカフランツ
のほうはわかんないがね」そして、男はまるでカルルのことが今ではただ一つの自分の関
心事となったといわんばかりに、椅子に腰を下ろした。 「でも、トランクはまだ失くな....
「城」より 著者:カフカフランツ
意に添う用意があるものとご承知下さい。働く者が満足しているということこそ、私の関
心事であります」
署名は読めなかったが、署名のそばに「X官房長」と印刷されてい....
「お母さんは僕達の太陽」より 著者:小川未明
健康も考えずに、顔さえ見れば、勉強! 勉強! というが如きは、却って、其の親達の
心事をば悲しまずにいられません。 かゝる無理な場合でも、子供は、母親に対し、不....
「俗臭」より 著者:織田作之助
恵造はなだめたが、女のためにお人善しの春松がいうべからざる事迄いいたくなる、その
心事には同感出来るものがあった。 大正五年、権右衛門は一万円出来た。口髭を生や....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
である。 昭和三年度のためには、前年の講義録を再修正する前に、私の年来最大の関
心事であるナポレオンの対英戦争の大陸封鎖の項に当面し、全力を挙げて資料を整理し、....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
肖像画を売ってもらおう、と思って交渉したり、する事を書くつもりであったが、その肝
心事が書けないで、こんなだらしのない文章になってしまった。 〔一九五七年十一月〕....