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心利
「心利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心利の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
申《さる》の刻《こく》までに早急に国遠《こくおん》なさるべく候。以上」 そして
心利いた仲間を使いに立てた。やがて暮に近い頃、彼は近頃にない晴々しい心地で惣八郎....
「名君忠之」より 著者:夢野久作
」 二人は苦い顔を見合わせた。 「ウム。よく申し聞けた。いずれ褒美取らするぞ。
心利いた奴じゃ」 と言ううちに尾藤内記はソソクサと立上った。 「アノ……何と申....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
な緞子造りの、ふっくらとした褥です。それから刀架に脇息――。 「その方なかなかに
心利いた奴じゃな。小姓共のおらぬがちと玉に瑾じゃ。ふっくらいたして、なかなか坐り....
「花吹雪」より 著者:太宰治
の我が人生は地獄の如し、と泣くにも泣けぬせつない気持になり申候いき。杉田老画伯は
心利きたる人なれば、やがて屋台店より一本の小さき箒を借り来り、尚も間断なく散り乱....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
と、いくらか微笑して、盃をさしたのも、彼女にすれば、雪之丞に今夜逢えるのも、
心利いた三郎兵衛のはからいだと思えばこそであったろう――
ところへ、女中が、
....
「白くれない」より 著者:夢野久作
。早や数百金にもなりつらむと思ふ頃、その中より数枚を取り出し、丸山の妓楼に上り、
心利きたる幇間に頼みて、彼の香煙の器械一具と薬の数箱を価貴く買入れぬ。こは人に知....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
って後に、この奥方は清洲《きよす》へ移って、広大な屋敷の中へ、質素な住居をたて、
心利《こころき》いた二三の人を召使って、静かに引籠《ひきこも》っているということ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らえで、ゆっくりと出立し、途中になって急馬力で走り出しました。 あとに残った、
心利いた黒川屋のおかみさんの取りしきりぶりに見ると、久々野からここまで駕籠をつけ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めないのです。 今夕も、関ヶ原まで伸《の》すという行動には一切干渉しない代り、
心利いた若い者の庄公を目附として、ここまでつけてよこしました。 庄公は宿の一間....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
鞄|提げさして停車場へ行く様、痩馬と牝豚の道行とも見るべしと可笑し。この豚存外に
心利きたる奴にて甲斐々々しく何かと世話しくれたり。間もなく駆け来る列車の一隅に座....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
悟なされますようと、申して参れ。何ういう使者だ、と聞かれたなら、内密の用につき、
心利いた者を、至急、およこし下されますよう――火急の用にて、諸方へお知らせしてお....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
は本草綱目や動物書くらいは通覧しているから、七面鳥の習性は知っていた。 中に、
心利きたる医師がいて、将軍の企みを読んで取り、不心得の七面鳥が使命を忘れてぼんや....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
まし」 と、何処からか、早速に一枚のむしろを持って来て、程よい所へ敷いた。 (
心利きたる奴) 何かにつけ、兵庫は彼の機敏なことに感心したが――また、その気の....