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「心悸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心悸の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
者の正義であろう。わたしはそう云う武器を見ながら、幾多の戦いを想像し、おのずから心悸《しんき》の高まることがある、しかしまだ幸か不幸か、わたし自身その武器の一つ....
」より 著者:島木健作
星の美くしい夜であった。 ――強度の神経衰弱の一つの徴候ともおもわれるこうした心悸亢進《しんきこうしん》に、太田はその年の夏から悩まされはじめたのである。それ....
雛妓」より 著者:岡本かの子
いて涙は零さなかった。 わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て心悸を亢進させ、実家の跡取りの弟の医学士から瀉血されたことも、それから通夜の三日....
石狩川」より 著者:本庄陸男
彼女を捜していた。そして、ああ――、あッ、と発見したようであった。だが、どきんと心悸《しんき》がたかまり、目先がぼーっとなってはッきり確かめることは出来なかった....
十二支考」より 著者:南方熊楠
体を画かしめた。アその痩せて増すべからず、肥えて減ずべからざる肉付きの妙なるに、心悸|臂揺《ひよう》し、茫然自失して筆を落し続け、写生はお流れ、それからちゅうも....
フロレンス・ナイチンゲールの生涯」より 著者:宮本百合子
い中にこそ打つべきだ。長椅子の上であえぎながら、彼女は報告を読み、手紙を口述し、心悸亢進の合間には熱病的な冗談をとばした。ナイチンゲールは、イギリスの陸軍病院の....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
て、心臓のお苦しくならない限り、おとなしくて居られます。心臓の苦しいというのは、心悸亢進するらしいのです。脈が非常に速くなり、百以上。そして結滞もするらしい。そ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
一日の次の一日が空襲警報だったし、二日はそちらへ行って、夜、どうかして疲れすぎて心悸亢進したりし、三日はきょう立つというのでソワソワで一日中落付きませんでした、....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
京のお居間も同じことでござろう。日中の強い光がお毒じゃそうな。強い光が目に入ると心悸がたかぶって良くないそうで、格子の外には黒い幕をはりめぐらしておいたものじゃ....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
毛の逆竪《よだ》つまでに怖れしめ、生来《せいらい》心臓の力弱き妾は忽《たちま》ち心悸《しんき》の昂進《こうしん》を支え得ず、鼓動乱れて、今にも窒息《ちっそく》せ....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
った。私はゆうべ徹夜で、自分の失策について考えていたので、消化不良から来た急性の心悸亢進のためにとんだ失礼をしましたと、まことしやかに弁解したので、キッティのご....
三国志」より 著者:吉川英治
し、持病らしい宿痾も見あたらないのである。 「時務のお疲れでしょう。何かひどく、心悸を労されたことはありませんか」 「いや閑職の身じゃ。さしたることも……」 「....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
りの外出着の茶色の背広を着込んで、悠然と、せいぜい心を落ち付けて出掛けたが、胸の心悸は容易に治まらなかった。 桜田門で電車を降りたが、今日位警視庁が厳しく、恐....