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心棒
「心棒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心棒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
四郎は当時|文蔵《ぶんぞう》と云う、柏原《かしわばら》の博徒《ばくと》のもとに用
心棒をしていた剣客《けんかく》である。もっともこの「ふとしたこと」には二つ三《み....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
に、ぐるぐる廻り始めました。それもちゃんと一所《ひとところ》に止ったまま、ホヤを
心棒《しんぼう》のようにして、勢いよく廻り始めたのです。初《はじめ》の内は私も胆....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
駿河台の研究所まで辿りついたのが縁で、唯今では、鍛冶屋の山さん、変じて、博士の用
心棒となり、無頓著な博士の身辺護衛の任にあたっているのだった。戸波博士は、いま軍....
「蠅男」より 著者:海野十三
。 そのうちに、会社からは田辺課長をはじめ山ノ井、小松などという選りすぐりの用
心棒が駈けつけた。総一郎はすこし生色をとりかえした。 警察への使者には、田辺課....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
である春夫の三人が、留守宅に起居していた。いってみれば及川は、三四郎の留守宅の用
心棒と云った形だった。しかし奇怪な出来事は、それにもかかわらず降って湧いたように....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いているのだよ」と伸子が腰を下していた廻転椅子を、クルッと仰向けにして、その廻転
心棒を指差した。「ところで支倉君、僕はいま自然の法則なぞと大袈裟に云ったけれども....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
て帆村自身は、大机に附属している皮革張りの廻転椅子に尻を下ろした。その廻転椅子は
心棒がどうかしていると見え、彼が尻を下ろした途端にがくんと大きな音をたてて後へ傾....
「獏鸚」より 著者:海野十三
錨健次は暁団から足を洗って、江東のアイス王と呼ばれている変人金満家田代金兵衛の用
心棒になっていた。ところが暁団では田代金兵衛の一億円を越えるという財宝に目をつけ....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
らしがないが、とにかくその蜜豆は一風変っていて氷のかいたのをのせ、その上から車の
心棒の油みたいな色をした、しかし割に甘さのしつこくない蜜をかぶせて仲々味が良いの....
「恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
去年の春ごろからここへ引っ込んで来たのである。ことしのお開帳を当て込みに、自分が
心棒になって休み茶屋をはじめ、近所の娘を手伝いに頼んでいるが、主人が江戸者で客あ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
眼付きだった。 かつて、船場新聞で相手構わず攻撃の陣を張っていた頃、どこかの用
心棒が撲り込みに来たことがあったが、その時お前は部屋の隅にじっと腕組みして、いく....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
り痒い処へ手の届かずという事なく、有らゆる優待はするので有った。 「生縄一家の用
心棒、磯貝先生は、話に今も遺っている笹川繁蔵の処の平手酒造よりも豪い方だ」 持....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
当時の二葉亭の苦辛を能く語っておる。が、苦辛したのは外形の修辞だけであって肝腎の
心棒が抜けていたから、二葉亭に多くを期待していたものは期待を裏切られて失望した。....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
その無理は止めるとして、その代りに、人様の生んだ子だ。しかもその家にとっては嘗て
心棒であった先妻の生んで遺していった遺児だ。そこをとっくり胸に入れて、大事な品物....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
に男手のない二人暮しの家が物騒だというので、柔道部の選手をしていた轡川に言わば用
心棒代りに寝泊りしてもらうことにした。明日子はその轡川に暴力で辱しめられた。柔道....