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「心機〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心機の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
僕もその都度にかならず返事をかいてやった。こうして二年ほどつづいている間に、彼の心機はどう転換したものか、自分が現在の境遇に対して不満を訴えることが、だんだんに....
運命」より 著者:幸田露伴
豪誠実、豈退心あるべけんや、と云いければ、諸将|相見て敢て言うものあらず、全軍の心機一転して、生死共に王に従わんとぞ決しける。朱能|後に龍州に死して、東平王に追....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
政府においてもその方針を定めかねているところであるという。 正己は言葉を改めて心機の一転を半蔵の前に語り出したのもその時であった。彼はこれまで人民が執り来たっ....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
に多い。一しょになって心配してやらねば不親切だといってヒガが無いし、仕末に悪い。心機一転ということもあるから、朗かに奮闘的な気持ちになれるよう、思い切って生活を....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
風に思いを凝らしはじめたことは結構で、なんといっても、古い根のある土地柄だから、心機一転、身構えを変えれば、立直るだけの素質はそろっている。 だが、浅草という....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
よ。アベコベなんだ。その一夜が、転機なんだよ。万感コモゴモの次に、ホンゼンとして心機一転。それほどでもないが、なんとかしたと思いたまえ。ここ一週間、ミミズみたい....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
。だって、そうじゃないか。チンピラ女学生の、ネバア・ハップンまがいの密書を読んで心機顛倒、恋女房たるその姉さんを離婚するとは、トマサンも大人げない。オオ・ミステ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
してくれた。死んだ孫の数を取りかえすのも儚い希望ではなかろう。 そこで喜兵衛は心機一転、年が改ると共に自分の誕生日がくるから、ちょうど還暦に当るを幸い、厄払い....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
憺たる戦国時代では、なまじ出家などするよりも賊になった方が気が利いていると、更に心機を再転させ、その手始めに恋する女を浮田の奥殿から奪ったのである。爾来彼は月姫....
次郎物語」より 著者:下村湖人
度は次郎君はまことにお気の毒な事になりました。しかし見どころのある青年ですから、心機一転すると却っていい結果になるかも知れません。」 俊亮は、しばらくの間、ま....
接吻」より 著者:神西清
やりと一人笑いをしてみたり、婦人連の動作を眼で追いはじめたりなどしながら、早くも心機朦朧となって、いやいやこの薔薇やポプラや紫|丁香花の匂いは庭から漂って来るの....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
も人間業ではない。 対岸へあがったカメが、再び腹をさすり、まず平息をととのえ、心機熟して、慎重に長息法を用いているをジッと見つめて十兵衛は感きわまってしまった....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
れを持ってみよと教えたのでございましょう。母は度々、竹をスパッと割るように、私の心機を一変してくれることがありました。その時は、「人形つかひ」の構想が、できかか....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
しっかり修行しろ、というのであった。これもまた信じている先生の言葉であったから、心機立ちどころに一転することが出来た。今日といえども想うて当時の事に到るごとに、....