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心淋しい
「心淋しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心淋しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
で、やっと幾分かを養家から受取ることのできた着物や頭髪《あたま》のものを持って、
心淋しい婚礼をすまして了った。
植源の隠居の生れ故郷から出て来て、長いあいだ店....
「爛」より 著者:徳田秋声
そこで切り揚げて来たお増は、嶮しい海岸の断崖をがたがた走る軽便鉄道や、出水の跡の
心淋しい水田、松原などを通る電車汽車の鈍いのにじれじれしながら、手繰りつけるよう....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
しさで、
「折角の、そなたの心持、このまま、別れてしまうのも、何となく、わたしも
心淋しい――さりとて、この家では、どういたそうとて、人目もある――」
「ま!」
....
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
ん以外にこの世界では一人もいないことを思う。そして、その人の死後の自分に、幾分か
心淋しい想像をする。 けれども、この感謝が一度脣から外へ出ると、旦那様だったり....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
います」 峯「左様ならそうして入らっしゃいまし」 と妙な処に幇間を叩き、此方も
心淋しいから往く了簡になりまして、是れから玉兎庵という料理屋へ参り、図らずも此の....
「放浪」より 著者:織田作之助
、ふくれていた。また、順平に飛び出されてみると体裁もわるいが、しかし、ほんの少し
心淋しい気も感じられた。しつこく迫っていた順平に、いつかは許してもよいという気が....
「融和促進」より 著者:喜田貞吉
れに対する精神上の不平不満は、自然と自暴自棄に陥らしめ、心ならずも低級なる娯楽に
心淋しい慰安を求めて、その日その日を送っているという場合も少からぬのであります。....