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心緒
「心緒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心緒の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
事だから遠慮なく厳密なる解剖の刀を揮《ふる》って、縦横《たてよこ》十文字に自分の
心緒《しんしょ》を切りさいなんで見るが、その結果はいつも千遍一律で、要するに分ら....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
術なき事はいまだ為なくに 〔巻十一・二三六八〕 柿本人麿歌集 人麿歌集出。正述
心緒という歌群の中の一つである。一首の意は、物ごころがつき、年ごろになって、母の....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
各々独立独歩のもの、事の真相に於てこの二つが交錯するというのはウソで、これは専ら
心緒の浪漫的散歩に属するヨケイ物です。奥さんと大浦先生に属することは、これはもっ....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
も可なり。 一 女は容《かたち》よりも心の勝《すぐ》れるを善《よし》とすべし。
心緒《こころばえ》|無美《よしなき》女は、心《こころ》騒敷《さわがしく》眼《まな....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
のいのちがある。異性を恋して少しも心乱れぬような青年は人間らしくもない。「英雄の
心緒乱れて糸の如し」という詩句さえある。ことにその恋愛が障害にぶつかるときには勉....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
てすぐ蚊帳にもぐりこんだが、枕に頭をつけながら、彼は小声で口ずさんだ。 「英雄の
心緒みだれて麻の如しイ。」 次郎は腹の底から俊三に対する憎しみの情がわいて来る....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
なつ》かしき家路に上り、はるばるも故郷の橋を渡れるなり、彼が喜悦に溢《あふ》るる
心緒は、熊本籠城の兵卒が、九死一生の重囲を出でて初めて青天白日を見たるその嬉《う....
「高原の太陽」より 著者:岡本かの子
……………………………… 青年の唄っている唄は花柳界の唄にしても、唄っている
心緒は真面目な嘆きである。声もよくなく、その上節廻しに音痴のところがある。それを....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
どんな顔いろをしようと、かつてエガアトンに返事を書いたときの害意と敵愾心を、その
心緒から棄てきれはしなかった。いまのいままでの不穏な、割りきれぬ気持のまま、宮廷....