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心証
「心証〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心証の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
、八つまで罪名を附したのは稍遺憾の点がある。之は一つには支倉が極悪人であると云う
心証を与える為でもあり、一つには警察署の方で不問に附しても、検事局或いは予審廷で....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
五十ぐらいの、背の高い、痩《や》せた男だろう? 鬚《ひげ》のある――。」 女の
心証をたしかめるために、わざと反対に鎌《かま》をかけた。「いいえ。三十そこそこの....
「刻々」より 著者:宮本百合子
る。 「君は、さすがに女だよ。もちっと目先をきかして、善処したらいいじゃないか。
心証がわるくなるばっかりで、君の損だよ」 目さきをきかすにも、事実ないことでは....
「冗談に殺す」より 著者:夢野久作
ぬと思ったので……それからモウ一つには同宿の連中や、近所隣りの家族たちに同情的な
心証を残しておくと、後になってから非常に有利な事がある実例を知っていたので、コン....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。みずからその像に似んことを願うべきである。宗教はその願いの成就すべしとの約束(
心証)である(私の考えでは彼の世において)。それは夢であろうか? 親鸞はその夢を....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
」 帆村は気の毒そうに応えた。 「それに、こんなところで話をすると、後で検事の
心証を害する虞れがある。適当な時に弁護士を立てて、それを通じて面会するのがいいね....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
業《しわざ》とよりしか米友の仕業を信じ得べき事情を知らないから、すべての環境も、
心証も、いよいよ以て米友を不利なものに陥れてしまうのです。 ただ、かくて見物し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の村は何という村? と詰問した時に、江州《ごうしゅう》石田村と聞いて、また彼等の
心証を悪くしてしまったのは、やっぱり時の運でした。 「ナニ? 石田村、江州石田村....
「源氏物語」より 著者:紫式部
この間は春風に浮かされまして御園のうちへ参りましたが、どんなにその時の私がまた御
心証を悪くしたことかと悲しまれます。その夕方から私は病気になりまして、続いて今も....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
児は何故か妙に眼をきょとつかせたり臆病そうに口籠ったりした。この事は明かに係官の
心証を損ねた。そして司法主任は、双生児の指紋と、押収した兇器の柄に残された指紋と....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
きるものではない。むしろ慌てた行動に筋が立たんということは、彼は犯人でないという
心証を与えるかも知れない。 しかし、それは刑事の側からのことで、ウソをついてる....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ぬ筈だという被告の言葉は一方的でそれを証明する力がないということであり、裁判官の
心証が彼らを犯人とみる方に傾いておれば、彼らの反証は無力であると認定せられるであ....
「金狼」より 著者:久生十蘭
笑いかたをしながら、君、あいつは処女《ユングフラウ》だぜ、といった。これが係官の
心証をよくした。 できるなら、葵はなにもかも告白して、ここから逃げだしたいと思....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
敵性国人と見られて、監視されているんだから、辛くても謹慎して、少しでも憲兵隊の
心証を害なってはいけないと、父が心配して……わたくしたち、ラジオも写真機も、持っ....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
苦しい気持を救った。 「新聞の記事によると、自首したというのでむしろ加害者の方の
心証がよく、市岡にはひどくその筋の同情が無いように書いてあったが、実際は、かねを....