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心遣り
「心遣り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心遣りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊感!」より 著者:夢野久作
なりました。 「妾は妾の財産をお二人に残して行きます。それだけが、妾のせめてもの
心遣りです。どうぞこの財産を妾と思って、お二人で半分半分に分けて、思う存分に使っ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
事が、亡骸をお調べ下さいましてから、お判りになりましたとの事で、これがせめてもの
心遣りで御座います。……で御座いますから私はここで立派に法事を営みましてから、お....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
お百合さんか、何をしているのだろうね。 姥 恋人の晃の留守に、人形を抱きまして、
心遣りに、子守唄をうたいまする。 白雪 恋しい人と分れている時は、うたを唄えば紛....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
、巴里に居るわけに行きませんから、せめて息子だけ、巴里って恋人に添わせて置くのを
心遣りに、私達は日本って母国へ帰って来ましたの。何も息子を偉くしようとか、世間へ....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
…昨夜間潭夢落花。可憐春半不還家。江水流春去欲尽……」という辺は私だけには大いに
心遣りのつもりがあった。 飯は済んだが、私はまだ女を帰したくなかった。 お宮....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
身を削るようなもの、新しい住居に移ってから一|年とも経たない中に、私はせめてもの
心遣りなる、あのお墓参りさえもできないまでに、よくよく憔悴けて了いました。一と口....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の幻想を、少し離れたところからながめていられるようになっている。それがせめてもの
心遣りであろう。 種子開顕 珍らしく景彦が遣って来た。景彦は人には姿を見せ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ると、藤久君が外国の港の艦上で昔の私のことを思い出してくれて、たとい半分は自分の
心遣りであったにしろ、異境の孤独の心を寄せてよこしたのに、どうしてそれに応えなか....
「印象」より 著者:小酒井不木
、どれほど失望したであろうかと思うと、赤ん坊を見ない先に死んだことは、せめてもの
心遣りでありました。けれど、夫人が赤ん坊の泣き声を耳にしたことはたしかであろうと....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
程耳が疎いらしい。……あるいはそんな事で、世捨人同様に、――俳諧はそのせめてもの
心遣りだったのかも知れません。勿論、独身らしいのです。寸人豆馬と言いますが、豆ほ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
を捉えて来ることは躊躇して、唯往来で折々逢う毎に、馴々しく詞をかける位を切てもの
心遣りに、二月三月を過す中に、飛騨の涼しい秋は早くも別れを告げて、寒い冬の山風が....