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「心酔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

心酔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
る条件のもとでは無機物界にまで及んでいた。私は彼の信念の全部、あるいはその熱心な心酔を説明する言葉を持たない。が、その信念は(前にもちょっと述べたように)、彼の....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
の考えを折衷すると丁度好い者が出来て来る」と云う是にて見れば満更細君の意見にのみ心酔したる様にも有らねば余は稍や安心し、今日中に如何ほどの事を見出すならんと夫の....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
る特性による必然的の力に由来しているのであったが、今や彼の精神は、これまで情熱に心酔して登りつめていた高所に踏みとどまることを許さなくなった。彼はひざまずいて世....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
ドリックに削り、ベッドに寝る、バタを食べ、頭髪までも赤く縮らしたいと願ったほどの心酔ぶりだった。そうはいえ私は父から受け継いだのか、多く見、多く聞き、多く楽しむ....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
話はとぎれます。私はサンダーボックスのふたをあけて、兄の好きなというより、もう心酔してしまっているモツァルトのものをかけ出しました。ニ長調のロンドです。兄は白....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
カ月前です。そのときは、たしかに美人が多かったらしいです。時の一行は概ね逆上的に心酔しておったです。ぼくも、その時、来ればよかったなア」 予言者は世に容れられ....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
考え方や伝統や権威を疑ってみて、新しい近代を打ち樹てようとする今日もなお、多くの心酔者を得、模倣者や亜流を作ってはびこっていることが、果して幸福な現象か不幸な現....
わが文学修業」より 著者:織田作之助
ェーホフ、ルナアル、ボルトリッシュ、ヴィルドラック、岸田国士などが好きで、殆んど心酔したが、しかし、同じクラスに白崎礼三という詩人がいて、これと仲が良く、下宿も....
雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
鮎の高い香気と清涼な風趣を絶賛し、一方には山女魚の濃脂と、焼き上げた肉の軽泊とに心酔している人があるが、それは人々の好みによることであるから、いずれの味品がよい....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
想い出にわれを忘れる。つまり、童心に返るのだ。私は、市川猿之助の舞踊劇『黒塚』に心酔して、これを三、四回観たのであるが、那智から巡りきた行脚の僧の看経の功徳によ....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
二世を大外交家であるというかというに、当時の封建武士がこの時代に流行した騎士道に心酔し、兎もすると法権を侵す態の行動をし英気を他に洩らす術なき脾肉の嘆をかこって....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
能わざるような状態となっている。いいかえてみれば、ドイツ哲学に拘泥し、またこれに心酔することが極端となったような状態である。これははなはだ遺憾なことである。その....
四十年前」より 著者:内田魯庵
ラ嬢の父は事毎に外相からの内諭で娘の意を嚮えるに汲々として弱り抜いていたが、欧化心酔の伊井公侯もこれには頗る困らされたそうだ。 当時の欧化は木下藤吉郎が清洲の....
欧米料理と日本」より 著者:北大路魯山人
までもなさそうだが、ヨーロッパ料理は一応テストに価しよう。 今までの国外にのみ心酔する輩は、多く日本を知らない。体当たりの経験の乏しいために、日本の料理の神髄....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ともに死なんのみ……なおしかも、私は神とその天使の前に誓って、本当にあなたさまに心酔する者であることを申し立てさせていただきます。これを書くものの手は、むかしあ....