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心魂
「心魂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
心魂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
治郎自分で料理をして膳を持って障子を開け、 文「お母様、先程の御一言は文治郎の
心魂に銘じました、御一命を捨てゝの御意見|何《なん》とも申そう様ござらぬ、此の後....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んな! 首っつりですよ! 首っつりですよ!」 発見したのはお供の先棒でしたが、
心魂を打ち込んで石を囲んだ疲れのために、ついまどろむともなくまどろみながら、駕籠....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してござります! いいえ、いいえ、弥七郎が苦心の果てのこの群青焼きを見ましては、
心魂打ち込んだこの青焼きを見ましては、泥斎恥ずかしゅうてなりませぬ。お笑いくださ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
こうむりましたので、爾来《じらい》六日ばかりというもの、かく面やつれのいたすほど
心魂を砕いて詮議をいたしておりましたところ、はからずもきょう、あの寺の墓地で、新....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
に延びただけの旧家の一族に付いている家霊が、何一つ世間へ表現されないのをおやじは
心魂に徹して歎いていたのだ。おやじの遺憾はただそれ許りなのだ。おやじ自身はそれを....
「花吹雪」より 著者:太宰治
に対して実行すべきものに非ず、弓箭は遠く海のあなたに飛ばざるべからず、老生も更に
心魂を練り直し、隣人を憎まず、さげすまず、白氏の所謂、残燈滅して又明らかの希望を....
「不審庵」より 著者:太宰治
に新たなる事こそ、貴殿の如き芸術家志望の者には望ましく被存候。茶会御出席に依り御
心魂の新粧をも期し得べく、決してむだの事には無之、まずは欣然御応諾当然と心得申者....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の一字が大事ですぞ。手にとって見なければ信ぜられぬとは、さてさて、あわれむべき御
心魂。それ心に信無くば、この世に何の実体かあらん。手に取って見れども信ぜずば、見....
「連環記」より 著者:幸田露伴
基には前世因縁とも云うものであったか素晴らしく美しい可愛いものに見えて、それこそ
心魂を蕩尽されて終ったのである。蓋し又実際に佳い女でもあったのであろう。そこで三....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
さして、両手を膝へ、土下座もしたそうに腰を折って、 「さて、その時の御深切、老人
心魂に徹しまして、寝食ともに忘れませぬ。千万|忝う存じまするぞ。」 「まあ。」 ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
寂が忘れえようか そのしずけさの中で 帰らなかった妻や子のしろい眼窩が 俺たちの
心魂をたち割って 込めたねがいを 忘れえようか! ! 泣き叫ぶ耳の奥の声 音もな....
「ヤミ論語」より 著者:坂口安吾
が察せられる。大衆の歓呼の悲痛に切実な現実を三思して、ハッタリから着実な政策へ、
心魂を捧げてもらいたいものだ。 職業野球が大衆の興味をあつめはじめている。大衆....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
とりません。剣に神を宿らせたいと願うような大志も結構ではありますが、小さな死処に
心魂をうちこむこと、これも人の大切な生き方だろうと思います。好んで死につくわけで....
「おせん」より 著者:邦枝完二
前から、おせんはきょうか明日かと、出来上る日を、どんなに待ったか知れなかったが、
心魂を傾けつくす仕事だから、たとえなにがあっても、その日までは見に来ちゃァならね....
「海にふぐ山にわらび」より 著者:北大路魯山人
上で、剥いては食い、割っては食おうとも、その味は遂に舌端だけのものであって、人の
心魂に味到する底のものではなかった。そこで夜を待って、ふぐを「ちり」にして味わい....