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必死
「必死〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
必死の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
じ》は、相手の心を見通したのか、またひとしきりはね起きようとして、すまいながら、
必死になって、わめき立てた。
「おぬしは、なんで阿濃《あこぎ》を、あのような目に....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
見せんとぞ息まきける。
「いずれ劣らぬ曲者《くせもの》ゆえ、しばく(シの誤か)は
必死に打ち合いけるが、……
「平四郎さすがに手だれなりければ、思うままに伝三を疲....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、一気に紙の上をすべりはじめる。彼は神人と相搏《あいう》つような態度で、ほとんど
必死に書きつづけた。
頭の中の流れは、ちょうど空を走る銀河のように、滾々《こん....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
まし。」とも申しました。が、私に励まされるまでもなく、別人のように血相を変えて、
必死に梁を擡《もた》げようと致して居りましたから、私はその時妻の両手が、爪も見え....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
のほかに、誰が内裏《だいり》なぞへ忍びこみましょう? わたしはこの言葉を聞くと、
必死にもがいている間《あいだ》でも、思わず微笑《びしょう》を洩らしたものです。
....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
法師、医師、陰陽師《おんみょうじ》などが、皆それぞれに肝胆《かんたん》を砕いて、
必死の力を尽しましたが、御熱は益《ますます》烈しくなって、やがて御床《おんゆか》....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ァスや画の具も買われるはずである。いや、それどころではない。たった一枚の十円札を
必死に保存せずとも好《い》いはずである。が、万一前借の出来なかった時には、――そ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
思うほど、いきなり隠居の掻巻きに縋《すが》りついて、「御隠居様、御隠居様。」と、
必死の涙声を挙げ始めました。けれども祖母は眼のまわりにかすかな紫の色を止《とど》....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ゼンマイ》が一時にほぐれたような勢《いきおい》で、絶えず読本をふりまわしながら、
必死になって叫びつづける。「Life is real, life is earn....
「女」より 著者:芥川竜之介
の姿を吐《は》いた。と思うと蜘蛛は猛然と、蜂の首もとへ跳《おど》りかかった。蜂は
必死に翅《はね》を鳴らしながら、無二無三に敵を刺《さ》そうとした。花粉はその翅に....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
様の赤黒も見えないほど、一面に砂にまみれていた。それでも彼等は息を切らせながら、
必死に巌石を擡《もた》げ合って、最後の勝敗が決するまでは容易に止《や》めそうな容....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
し出したのはむしろ当然ではないであろうか? かつまた当時は塞外《さいがい》の馬の
必死に交尾《こうび》を求めながら、縦横《じゅうおう》に駈《か》けまわる時期である....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
きを蔵しているように見えました。新蔵は思わず拳を握って、お敏の体をかばいながら、
必死にこの幻を見つめたと云います。実際その時は総身の毛穴へ、ことごとく風がふきこ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、肉は裂け骨は砕けて、息も絶え絶えに階の前へ、倒れ伏していたのです。 杜子春は
必死になって、鉄冠子の言葉を思い出しながら、緊く眼をつぶっていました。するとその....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
のも不安だった。すると今度は着物までも、汗の濡れ通ったのが気になったから、やはり
必死に駈け続けたなり、羽織を路側へ脱いで捨てた。 蜜柑畑へ来る頃には、あたりは....