必滅[語句情報] » 必滅

「必滅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

必滅の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
どうしたら善かろう。万一の事を考えると今の内に有為転変《ういてんぺん》の理、生者必滅《しょうじゃひつめつ》の道を説き聞かして、もしもの変が起った時取り乱さないく....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
しまったのであろう。南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、万物逝いて復らず、人生流転、生者必滅、色即是空!」 どうも修業の足りぬ坊主と見えて、しどろもどろの念仏を唱えて....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
らずおなくなりですなんて、なぜ、そう仰有るのよ」 英信は顔をそむけて、 「生者必滅は世のコトワリですよ」 と苦々しげに呟いた。 光子は思わずカッとして、 ....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
行きついた涅槃那の姿を見た。永い未来を、遥かに予ねて言おうとするのは、知れきった必滅を説く事である。唯近い将来に、歌がどうなって行こうとして居るか、其が言うて見....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
源兵衛『わしとても同じ想いだ。然しお上人さまがよう言わるる此の世のさまは、生者必滅、会者定離。たとえ表向き夫婦となって、共白髪まで添い遂げようとしても、無常の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
黙りこくって立っていた。昨夜見た時はぴんぴんしていた人のこの有様に、諸行無常生者必滅とでも感じたものか、鼻汁《はな》を手の甲へすりつけながら、彦兵衛も寒々と肩を....
迷信解」より 著者:井上円了
立てしかば、主人は刀に手をかけながら、『汝、この世に迷いしことの愚かなるや。生者必滅の理を会得して往生を遂げよ』といいければ、本人は笑い出だし、『われ死せしこと....
父の墓」より 著者:岡本綺堂
を過ぎたるに、已に四人の叔に離れ、更に一人の叔母と姪を失いぬ。仏氏のいわゆる生者必滅の道理、今更おどろくは愚痴に似たれど、夜雨孤灯の下、飜って半生|幾多の不幸を....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
らくと成し遂げられるであろう。ペンの動きとともに動いてゆく心に、思い浮かべる生者必滅の悲しさ。描き眺める国々の隆替の姿。そして彼は静かにはっきりと夢見る、時が、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たって戦勝祈願の大威徳法の修法をこらし、また再度の綸旨を諸国に発して、逆賊尊氏の必滅を天地にちかっておられるとのこと。まさに天下分け目の様相だった。 鎌倉|泉....
私本太平記」より 著者:吉川英治
らぬのだ」 「が、それもまにあいませぬときは」 「精鋭二万、なお義貞の下に、尊氏必滅の意気を燃やしておる。そして楠木勢の参陣も見たいまだ。――総じて、汀の戦いは....