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「必竟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

必竟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
、今までなぜこの事について何にも述べなかったか不思議に思われるくらいであります。必竟《ひっきょう》ずるにただ真と云う理想だけを標準にして作物に対するためではなか....
文芸と道徳」より 著者:夏目漱石
弱点が書いてあっても、その弱点はすなわち作者読者共通の弱点である場合が多いので、必竟《ひっきょう》ずるに自分を離れたものでないという意味から、汚い事でも何でも切....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
先にちらちらする電灯の光を見廻して、自分をその中心に見出した時、この明るい輝きも必竟《ひっきょう》自分の見残した夢の影なんだろうと考えた。彼はそのくらい興を覚《....
こころ」より 著者:夏目漱石
た鳶色《とびいろ》のカステラを出して頬張《ほおば》った。そうしてそれを食う時に、必竟《ひっきょう》この菓子を私にくれた二人の男女《なんにょ》は、幸福な一対《いっ....
行人」より 著者:夏目漱石
》げられる癖があった。自分はただ彼の顔色が少し蒼《あお》くなったのを見て、これは必竟《ひっきょう》彼が自分の強い言語に叩《たた》かれたのだと判断した。 自分は....
中味と形式」より 著者:夏目漱石
すましてこれを体得するのとは全く趣が違う。幾ら科学者が綿密に自然を研究したって、必竟《ひっきょう》ずるに自然は元の自然で自分も元の自分で、けっして自分が自然に変....
三四郎」より 著者:夏目漱石
な外国にまで聞こえるほどの仕事をする人が、普通の学生同様な下宿にはいっているのも必竟《ひっきょう》野々宮が偉いからのことで、下宿がきたなければきたないほど尊敬し....
写生文」より 著者:夏目漱石
ほうてんめん》の限りなき波瀾《はらん》はことごとく喜怒哀楽の種で、その喜怒哀楽は必竟《ひっきょう》するに拘泥するに足らぬものであるというような筆致が彼らの人生に....
創作家の態度」より 著者:夏目漱石
者のように、空を飛んで行く矢へ指をさして今どこにいると人に示す事ができないから、必竟《ひっきょう》矢は動いていないんだなどという議論もやれないでもありません。そ....
マードック先生の『日本歴史』」より 著者:夏目漱石
《いま》だかつて「如何にして」とか「何故に」とか不審を打った試《ため》しがない。必竟《ひっきょう》われらは一種の潮流の中に生息しているので、その潮流に押し流され....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ッキという扮装で、一見子弟を率いる先生の如くである。これ甚だ些細のことであるが、必竟書生風を脱し得ない輩は、その覚悟もまだまだ本気でなく、乳臭さが取れていないこ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
誌などを読む事も出来、同僚の政治談も面白く、米国のある大学者も活版職より出たり、必竟学問を字を習い書を読む上にのみ求めんとせしは我が誤ちなりし、造化至妙の人世と....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
三、師範学校に図書館学科を加うること 辞書、参考書、郷土読本の編纂なるも書籍は必竟死物にして指導者その人を待て始めて活用全きを期すべきが故に児童の自学自修の常....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ば必ず良人を持つ。チベットでは四十あるいは五十位までは嫁入をするです。というのは必竟独立心に乏しくただ他によって自分の幸福を全うしよう、今得て居る状態よりよい状....
それから」より 著者:夏目漱石
かも荒縄で組み立てられたるかの感が起る。代助はこの青年の生活状態を観察して、彼は必竟《ひっきょう》何の為に呼吸を敢てして存在するかを怪しむ事さえある。それでいて....