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忌諱
「忌諱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忌諱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「小田原陣」より 著者:菊池寛
か興味が深い。 氏政、氏照は殺されたが、籠城の士は凡て、生命を助けられた。ただ
忌諱に触れていた連中は、捕えられた。 裏切をした松田憲秀は、二男の左馬介が氏直....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
的な社会的な鋭い批判を含んでいたからであり、「復活」等が当時の帝政露西亜の政府の
忌諱《きい》に触れて焼かれたにも拘らず、人心をかくも捉え得たのは、亦その政治社会....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
障礙のあることを自覚する。それは現存の人に言い及ぼすことが漸く多くなるに従って、
忌諱すべき事に撞着することもまた漸く頻なることを免れぬからである。この障礙は上に....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
士を手下に備えなければならぬ、就ては秀吉に対して嘗《かつ》て敵対行為を取って其|
忌諱《きい》に触れたために今に何《ど》の大名にも召抱えられること無くて居る浪人共....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
の息を呑んだような暗い緊張が漲ったのである。 石川達三の小説が軍事的な意味から
忌諱《きき》に触れたのもこの年の始めであった。文学のこととしてみれば、その作品は....
「婦人の創造力」より 著者:宮本百合子
、やはり商売の雑誌、ジャーナリズムの上に発表される。そのために出版業者は情報局の
忌諱《きき》に触れるものを出したら睨まれて潰されるかも知れないからぐにゃぐにゃに....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ある。 予の寡聞を以てしても、甲教師は超人哲学の紹介を試みたが為に、文部当局の
忌諱に触れたとか聞いた。乙教師は恋愛問題の創作に耽ったが為に、陸軍当局の譴責を蒙....
「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」より 著者:宮本百合子
際限なくひろがって、客観的に公平に、国際問題や経済、政治問題をとり扱った内容さえ
忌諱にふれた。日本のなかに、客観的な真実、学問上の真理、生活の現実を否定して、日....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れず、一直線に尾張中村まで来てしまって、そこで、豊太閤の供養を営んで、徳川幕府の
忌諱《きき》に触れることを、意としないという大胆なる勇猛心が、心ある人をしてなる....
「細木香以」より 著者:森鴎外
の親しい友為永春水はこの年七月十三日に牢死した。これも間接に山城河岸の父子をして
忌諱を知らしむる媒となったであろう。 これから安政三年に至るまでの間には記すべ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
の一例なり。出版の条令はなはだしく厳なるにあらざれども、新聞紙の面を見れば政府の
忌諱《きき》に触るることは絶えて載《の》せざるのみならず、官に一毫の美事《びじ》....
「日本男子論」より 著者:福沢諭吉
こと奴隷の主君におけるが如くならしめ、あたかも一家の至尊には近づくべからず、その
忌諱《きき》には触《ふ》るべからず、俗にいえば殿様旦那様の御機嫌は損ずべからずと....
「志士と経済」より 著者:服部之総
、などと詠み、いじらしい心根であったと、暗然として亡妻をしのんだ。 雲浜が藩の
忌諱《きい》にふれて素浪人になったのは嘉永五年でこの年長女竹子についで長男繁太郎....
「新撰組」より 著者:服部之総
善悪とも隠匿致し居り候事ども、聊《いささか》憚りなく、筋々へ申し出づべく候。但し
忌諱《きい》を憚り候儀もこれあり候はゞ、封書にて直様《すぐさま》差出し申すべく、....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
にも諸士の邸宅が割り宛てられていた盛んな状が知られる。それが些細なことから幕府の
忌諱に触れて、一朝主家の改易となっては、たちまち分散消滅してしまったのだ。 夜....