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忍耐
「忍耐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忍耐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
に煩悶を重ねて参りました。どうかあなたの下部《しもべ》、オルガンティノに、勇気と
忍耐とを御授け下さい。――」
その時ふとオルガンティノは、鶏の鳴き声を聞いたよ....
「或る女」より 著者:有島武郎
かまれそうな気がしてならなかった。そうなるにしてもしかしそれまでには古藤は長い間
忍耐して待たなければならないだろう、そう思って葉子は一面小気味よくも思った。
....
「片信」より 著者:有島武郎
んなことを報ずるよりほかに事件らしい事件を持ち合わさない僕のことだから、兄の方で
忍耐してそれを読むほかに策はあるまい。
僕の言ったことに対してとにかく親切な批....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
を奪ったのではありません。己れの国を改造したのであります。自由宗教より来る熱誠と
忍耐と、これに加うるに大樅《おおもみ》、小樅《こもみ》の不思議なる能力《ちから》....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ook of Martyrs”)というこの二つでした。今ならばこのような本を読む
忍耐力のある人はない。私は札幌にてそれを読んだことがある。十ページくらい読むと後....
「生きている腸」より 著者:海野十三
をつづける腸《はらわた》をながめるのであった。 彼は文字通り寝食を忘れて、この
忍耐のいる実験を継続した。まったく人間業とはおもわれない活動ぶりであった。 今....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
りもなく、矯飾もなく、不平もなく、素直に受け取り、軛にかかった輓牛のような柔順な
忍耐と覚悟とをもって、勇ましく迎え入れている、その姿を見ると、君は人間の運命のは....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
恐らくは少数の)読者も、絶望して私から離れてしまうかも知れない。私はその時読者の
忍耐の弱さを不満に思うよりも私自身の体験の不十分さを悲しむ外はない。私は言葉の堕....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ミケランジェロやラファエルなどに圧倒されてしまった。 僕はその大エネルギと絶対
忍耐性とを身にしみ込むほど羨ましく思ったが、死に至るまで古典的な態度をもって安心....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
るので、この若い二人は、自分たちはたしかに人生に従順なる奴隷であり、沈黙と虚無の
忍耐強い召使いであると思うようになった。常に和合するかと思えば、また夫婦喧嘩をし....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の前には常に準備が要る。これは不変の鉄則である。資格が備わりてからの進歩である。
忍耐が大切な所以である。 問『心の迷、実証の困難、僻見の跋扈等をいかにすべきか?....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
しもっと賢明な男だったらあきらめたであろう。ところが、彼は生まれつき至って柔軟で
忍耐づよかった。彼は形も心もくまやなぎのようだった。屈するかと見えても強靭であり....
「画道と女性」より 著者:上村松園
大分思い止まらしたことがある。 全く女性の画道修業は難しい。随分言うに言われぬ
忍耐が要る。私などにしても、これまでに何十度|忌ま忌ましい腹の立つことがあったか....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
るように。……金石街道でお優さんと死のうとした、並木の松に、形がそっくりに見えて
忍耐がならないのです。―― 勝手は心得ていましたから、雨戸を開けました。庭の松....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
た。 私には、人間がどんなことでもできる、いかなる悲惨、困窮にも耐えられる強い
忍耐心を天からさずかっているように思えてくる。いよいよ食えなくなれば、往来へ大の....