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「志す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

志すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
のことだ。こういう性質をもって、私の家のような家に長男に生まれた私だから、自分の志す道にも飛躍的に入れず、こう遅れたのであろうと思う。 父は長男たる私に対して....
想片」より 著者:有島武郎
くなった。 種子は動くことすらできない。しかしながら人は動くことと、動くべく意志することができる。ここにおいてマルクスは「万国の労働者よ、合同せよ」といった。....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
境遇においてもちうる愛国心の全体ではないか。そうしてこの結論は、特に実業界などに志す一部の青年の間には、さらにいっそう明晰《めいせき》になっている。曰《いわ》く....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
渠は泰然と威厳を存して、他意なく、懸念なく、悠々《ゆうゆう》としてただ前途のみを志すを得《う》るなりけり。 その靴《くつ》は霜のいと夜深きに、空谷を鳴らして遠....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
になった。お聞きなさい。これは現在|一昨年の夏―― 一人、私の親友に、何かかねて志す……国々に伝わった面白い、また異った、不思議な物語を集めてみたい。日本中残ら....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
くのであった。 奥の道は、いよいよ深きにつけて、空は弥が上に曇った。けれども、志す平泉に着いた時は、幸いに雨はなかった。 そのかわり、俥に寒い風が添ったので....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
中の築洲に鶴ケ島というのが見えて、祠に竜神を祠ると聞く。……鷁首の船は、その島へ志すのであるから、滝の口は近寄らないで済むのであったが。 「乗ろうかね。」 と....
縁結び」より 著者:泉鏡花
、その白張の切籠は、ここへ来て、仁右衛門|爺様に、アノ威張った髯題目、それから、志す仏の戒名、進上から、供養の主、先祖代々の精霊と、一個一個に書いて貰うのが例で....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
まじのうて進じょうと、浜へ※の針掘りに出たらばよ、猟師どもの風説を聞かっしゃれ。志す人があって、この川ぞいの三股へ、石地蔵が建つというわいの。」 それを聞いて....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ますのは私の守護霊の事でございます。誰にも一人の守護霊が附いて居ることは、心霊に志す方々の御承知の通りでございますが、私にも勿論一人の守護霊が附いて居り、そして....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
ります――あたりで。……この町を離れて、鎮守の宮を抜けますと、いま行こうとする、志す処へ着く筈なのです。 それは、――そこは――自分の口から申兼ねる次第であり....
良夜」より 著者:饗庭篁村
中へ入りながらも首を伸してこれを看守りたり。出立つ前に年寄の忠告にも、「旅は明日志す所へ着くというその夜は誰も安心して必ず其所で竊みに逢うものなり」とありたれば....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
尚どのが、すぐに先へ立って出られたので、十八九年|不沙汰した、塔婆の中の草径を、志す石碑に迷ったからであった。 紫|袱紗の輪鉦を片手に、 「誰方の墓であらっし....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
燈のまわりをちらちらします。 大雨大風になりました。 可心が、翌日、朝がけに志す、滝谷の妙成寺は、そこからわずか二里足らずですが、間道にかかるという。例の荷....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
やかに到来する事を祈らねばならぬ。それが国防国家完成の時とも言える。そこで軍人を志すものは総て兵役につく。能力により現役幹部志願者は先ず下士官に任命せられる。こ....