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応諾
「応諾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
応諾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
鉢の形ちに組んで池を囲える石の欄干に中《あた》りて敷石の上に落ちた。「次に来るは
応諾の時期である。誠ありと見抜く男の心を猶も確めん為め女、男に草々《くさぐさ》の....
「明暗」より 著者:夏目漱石
が》わなければならない人であった。それにもかかわらず彼は躊躇《ちゅうちょ》なしに
応諾を与える事ができなかった。夫人はまた事もなげに笑った。
「なに構わないのよ。....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
、もう一つやりますから、少々お待ち下さい」 老人の静かな声に、帆村もまた無言で
応諾した。 老人は席を立って、婦人の前にピタリと坐った。右手を婦人の額にあげて....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
ないかと驚きました。何は兎もあれ僕はスウィッチを直ぐ様、送信機の方へ切換えると「
応諾」の符号を送りました。波長は四・五メートルを指していました。 軈て相手から....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
裸身を、ファウスト博士の前に曝させることを要求した。それに、法水はまた皮肉にも、
応諾の旨を回答して、室を出た。いつも、彼等がそこで策を練り、また訊問室に当ててい....
「不審庵」より 著者:太宰治
茶会御出席に依り御心魂の新粧をも期し得べく、決してむだの事には無之、まずは欣然御
応諾当然と心得申者に御座候。頓首。 ことしの夏、私は、このようなお手紙を、れい....
「ウィリアム・ウィルスン」より 著者:佐々木直次郎
くしている自分をもちょっとむっとさせるような言葉を彼に吐かせてから、とうとう私は
応諾してやった。その結果は、無論、その餌食がいかにまったく私の罠にかかっているか....
「火薬船」より 著者:海野十三
惑をしたらしく、しばらくは、その返事をよこさなかった。 やがてのことに、やっと
応諾の返事が、ノーマ号からあがったので、いよいよ事務長はボートを仕立てて、六人の....
「東京要塞」より 著者:海野十三
知をしてくれよ」 正木正太と名乗る半纏着の男は、ようやくのことで五郎造の薦めを
応諾した。そしてシンプソン病院を辞去したのであるが、彼は寒夜の星を仰ぎながら、誰....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
当時のモスコーからの情報によれば、国境委員会設定の件に就き、ソヴェート政府に於て
応諾の色があると報じられた。之によって撤兵問題が或る程度まで具体化することになれ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
して、モスコーからの情報によれば、国境委員会設定の件に就き、ソヴィエト政府に於て
応諾の色があると報じられている。之によって撤兵問題が或る程度まで具体化することに....
「困惑の弁」より 著者:太宰治
正直言うと、私は、この雑誌(懸賞界)から原稿書くよう言いつけられて、多少、困ったのである。
応諾の御返事を、すぐには書けなかったのである。それは、私の虚傲からでは無いのであ....
「秦の出発」より 著者:豊島与志雄
人物だ。」と秦は言った。 彼は使をやって面会を求めた。明日の午後二時に……との
応諾だった。 彼は支那服をまとい、自動車に乗り、陳振東を連れ、部下の一青年に道....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
を窺った。 「わたしは皮の袖無しが一枚欲しいのだが」と趙太太は言った。 阿Qは
応諾しながらも不承々々に出て行ったから、気にとめているかどうかしらん。これは趙太....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
た。鶴見が離れようとすればするほど纏りついてくる女の執拗さにあきれて、女の媚には
応諾も与えずに、押黙って本を見ていた。女は激しい痙攣でも起したかのように、顫える....