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忝い
「忝い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
忝いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
はず》れた笑い声を洩《も》らした。
「おお、許してくれるか。忝《かたじけな》い。
忝いぞよ。」
そう云って、彼は嬉しそうに、左右を顧みた。
「皆のもの、よう聞け....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が入りまして、まあ、とんだ御足を留めましてござります。」 「いや、どういたして、
忝い。私は尊いお説教を聴問したような心持じゃ。 何、嘘ではありません。 見な....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
も随分苦労をなさいました……。』そう言って、私の手を執って涙を流された時は、私は
忝いやら、難有いやらで胸が一ぱいになり、われを忘れて姫の御膝に縋りついて了いまし....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
して補助して、そうして一軒の家持ちにでもして上げたいというような心持か、御好意は
忝いが、今日まで何事も自力一方でやって来た自分、まあ、自分は自分の力をたよりにす....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
にほんとの世間の声は聞かれない。それを其許が、昼寝の夢に聞かせてくれたと思うと、
忝い心地がする。――忘れずに憶えておりますぞ」
「…………」
忘れずに憶えてい....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
が退かなくっても、安心だろ」 と、いう。 武蔵の眼には涙が溜った。健気よとも
忝いともいいようがない。自分はここを開拓して、農土に寄与するものと、ただ気概のみ....
「下頭橋由来」より 著者:吉川英治
党の佐太郎という者。……あ、水を一杯くれ」 「水だとよ。贅沢をいってやがら」 「
忝い――。話が、前後したが、それはもう十三年も前だ、若党の佐太郎めに騙かられて、....