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「快哉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

快哉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
かっ》し去った。吾輩もこの小僧を少々心憎く思っていたから、この時心中にはちょっと快哉《かいさい》を呼んだが、学校教員たる主人の言動としては穏《おだや》かならぬ事....
弟子」より 著者:中島敦
勝国たるはずの斉の君臣一同ことごとく顫《ふる》え上ったとある。子路をして心からの快哉《かいさい》を叫ばしめるに充分な出来事ではあったが、この時以来、強国斉は、隣....
科学と文学」より 著者:寺田寅彦
、つまり、この場合における読者の心の緊張した活動状態をさすのであろう。案を拍って快哉を叫ぶというのは、まさに求めるものを、その求める瞬間に面前に拉しきたるからこ....
続獄中記」より 著者:大杉栄
僕は、窓の向うに、東北の方に長く連らなっている岩越境の山脈を眼の前に見て、思わず快哉を叫びたいほどのあるインスピレーションに打たれた。その山脈は僕がかつて十年間....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てては聞き取れないほどの低声になって続くことがある。そうかと思えば忽ちに崩れて、快哉《かいさい》を叫ぶようなこともある。 そうして一通り、重要の復命か、相談か....
『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
さまざまの文学雑誌の中から、井伏さんの作品を捜し出して、読み、その度毎に、実に、快哉を叫んだ。 やがて、井伏さんの最初の短篇集「夜ふけと梅の花」が新潮社から出....
文学精神は言う」より 著者:豊島与志雄
平均的再分配が要望されているが、この問題について諸君は、富者が無くなることをのみ快哉としてはいないか。だが貧富は互に相対的なものであるからして、富者もみな貧者に....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
道記者として、その文体および趣味に驚くべきものがあることを証明し、音楽界に一大|快哉《かいさい》を叫ばしめた。その時彼は親しく、むしろ作曲に没頭するよう勧告せら....
貞操問答」より 著者:菊池寛
子も、書留の来たことさえ、気がつかなかったのは、まことに幸運だったと、圭子の心は快哉を叫んだのである。 圭子は、にわかに元気づき、椅子の背に昨夜のままかかって....
カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
とはあり得ないはずである。 万一、カメラのかたわらから監督を駆逐していたずらに快哉を叫ぶようなカメラマンがいるとしたら、その人はおそらくまだ一度も自分の仕事に....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
ば、蛇弱りて、蛙飛び去る。今一打を蛇の頭上に加ふれば、頭つぶれて死す。子供ども、快哉と呼ぶ。日暮れたる後、また蛙の悲鳴を聞く。小石を二つ三つなぐれど、なほ悲鳴を....
神経」より 著者:織田作之助
ことなくして、一方を避けることは出来ない」という言葉を見つけた時、これあるかなと快哉を叫んだくらいだから、軽佻を攻撃する気は毛頭持ち合わせていない。レヴュ女優の....
荘子」より 著者:岡本かの子
なたの我儘を見に来たと云われたのは却ってそなたののびのびして生きて居られる様子を快哉に感じられ「道」を極める荘先生に好い影響さえお与え申したのだ。見当違いに恥じ....
妾宅」より 著者:永井荷風
うるお》いに乏しくなった古来の道徳に対する反感から、わざと悪徳不正を迎えて一時の快哉《かいさい》を呼ぶものとも見られる。要するに厭世的なるかかる詭弁的《きべんて....
美食と人生」より 著者:北大路魯山人
げて言うならば、美味いものばかりを食い、好きなものばかりを食い、三度三度の食事に快哉を叫び続けることだ。ついでに食器の美も知って、つまらない食器では飯は食わぬと....