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快弁
「快弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
快弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
この簡単な問答の中から推測し得べき理由がある。 それから楽堂君が持って生まれた
快弁熱語を以て滔々と法政騒動の真相を披瀝すると、黙々として聞いていた翁は、やがて....
「六月」より 著者:相馬泰三
をあげて突然 「松本! 君の健康を祝す」と叫んだ。 酔いがまわるにつれて二人は
快弁になった。二人とも相手になんかおかまいなしで、てんでん勝手なことをどなった。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
で、それらの理論にたいして反感をいだいていた。しかし彼は議論になると、テオドルの
快弁にすぐ言い伏せられた。老人の寛大な純朴さを嘲弄《ちょうろう》するのは、テオド....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の頭髪、赤い顔、横柄な言葉つき、重々しい誇張的な音調、そしてときどきごつごつした
快弁を弄《ろう》した。彼はその絶大な自信の念をもってパリーにのしかかっていた。事....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
で、ぽってりと肥満し、眼がぎろりとして、マルセイユ風の強い調子でいっそう引き立つ
快弁をそなえていた。商務省の一編集官の寡婦だった。財産もなくて娘と二人きりになり....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
敵する。同様に冷笑的であり、またいっそう正直である。まったく思いもかけないような
快弁を持っていて、その大笑いで店屋の者を狼狽《ろうばい》させることもある。その調....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
るようです。 黙阿弥になると、もう、あの世話物の調子自身に、江戸末期の庶民の「
快弁」が、痛切な夢となって、しみじみと流れ出ています。 こうみて来ると、なるほ....
「初看板」より 著者:正岡容
もらってきてくださいました。師匠小さんはあなたも御承知のベラベラまくし立てる流弁
快弁の人だったので、松本順先生がまるで小鳥がさえずっているようだとて禽語楼の亭号....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
ヶ谷時代を語っては深い感慨に耽るのである。 こうして翌年四月、上京したとたんに
快弁の先々代林家正蔵が胃病で歿り、旧知の急逝に私は銀座裏で安酒を煽って涙し、目が....