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「快気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

快気の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いたのでしょうな」 と杏丸が、心持仄めかすようにいったが、法水はその言葉に、不快気な眉を顰めただけで、答えなかった。 そして次に、三人の来島者を訊問すること....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
顎だけが開いているところと云い、どことなく悪心とでも云ったら当るかもしれない、不快気な表情が残っているように思われた。全身にも、単純失神特有の徴候が現われていて....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
じゃな」 五「はア一昨日は余程お悪いようでございましたが、昨日よりいたして段々御快気に赴き、今朝などはお粥を三椀程召上りました、其の上お力になる魚類を召上りまし....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
「へえ。れんぼ流しの宗七さんで。どうぞ御ひいきに――。」 「ふん!」大次郎は不愉快気に顔をしかめて、「変えたのは、名前だけではないようだな。貴公、心の芯《しん》....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
置き、下女と戯《たわぶ》れて笑い興じている所へ行きがかりでもすれば、文三を顧みて快気《こころよげ》に笑う事さえ有る。この分なら、若し文三が物を言いかけたら、快く....
貧乏」より 著者:幸田露伴
素敵だッ、やんねえ。 女も手酌で、きゅうと遣って、その後徳利を膳に置く。男は愉快気に重ねて、 「ああ、いい酒だ、サルチルサンで甘え瓶づめとは訳が違う。 「ほめ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
リタッテ、江雪ガ大病故ニ、イロイロ世話ヲシタガ、ソノ時ニ、オレニ云ウニハ、今度ハ快気ハオボツカナイカラ、悴《せがれ》ノコトハ万端頼ムカラ、嫁ヲ取ラシテ後、御番入....
金の十字架の呪い」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
思われなかった。 「私はあなた方のうちどなたも迷信深くない事をのぞみます」彼は愉快気に言った。「まず最初に、私はこの仕事において吾々の熱心な頭にかかってる悪い前....
日記」より 著者:宮本百合子
メンションしたら、荒木君は、二度三度の光栄に浴した、と云ったとか云い、A自身も愉快気なり。いけない。いけない。だんだんああして、かたにはまるか、困ったものなり。....
活人形」より 著者:泉鏡花
この地に着きましたが、暑気に中りて昨日一日、旅店に病みて枕もあがらず。今朝はちと快気なるに、警察を尋ねて見ばやと、宿を出づれば後より一人|跟け来る男あり。忘れも....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
を添える、 『平癒りますとも、そうしてもう百|年も生きまさあ。』と、郵便局長は愉快気に云う。 『百|年てそうも行かんでしょうが、二十|年やそこらは生き延びますよ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いた危惧を眉に反撥してかたくなった。 「まことに、お痛わしくは存じるが、お上の御快気次第、ここの御所をよそへお移し申しあげることになろう。一そう外部との接触を断....
私本太平記」より 著者:吉川英治
げした。と、その門内からだった。 「おう、左中将どの」 「や、千種どのか」 「ご快気の由、めでたい。今朝、出陣と聞しめされ、天機もことのほかお麗しく拝された。尊....