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念う
「念う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
念うの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ミラーで繕っていた。熱いものが飛竜のように復一の胸を斜に飛び過ぎたが心に真佐子を
念うと、再び美しい朦朧の意識が紅靄のように彼を包んだ。秀江は思い返したように船べ....
「運命」より 著者:幸田露伴
玉、朱能、丘福を都指揮|僉事とし、張※を執え、始めて奸臣|欺詐の謀を知りぬ。窃に
念うに臣の孝康皇帝に於けるは、同父母兄弟なり、今陛下に事うるは天に事うるが如きな....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
られざる未来です。『中阿含経』は、われらにこう語っています。 「過ぎ去れるを追い
念うこと勿れ、未だ来らぬを待ち設くること勿れ。過去は過ぎ去り、未来は未だ来らざれ....
「牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
れをいちいち書き留めさした。その邪鬼の口供の概略をあげてみると、喬生は、 伏して
念う、某、室を喪って鰥居し、門に倚って独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動....
「青蛙神」より 著者:田中貢太郎
れば、またひっそりとして何の音さたもなかった。 一年あまりして崑は十娘のことを
念うて、ひどく自分で後悔した。そっと蛙神の祠へ往って、十娘をかえしてくれと泣くよ....
「旅愁」より 著者:横光利一
リックと自然科学の歴史と見ても良いと矢代には思われる。そしてこの二つの中心の希い
念う不断の希望をも想像もして見ずに、世界の歴史という人間群衆のもがき悲しみ、笑い....
「十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
後で、文名隆々たる頃だった。然るに、後になって「昭和三年――この年、しきりに死を
念う。」と自身で書いたので、私は唖然とした。何故に酒に親しみ、あの料理屋に入りび....
「頸飾り」より 著者:辻潤
い――道理なことである。 彼女は自分が充分に栄誉栄華をする資格に生まれてきたと
念うと、熟々今の生涯が嫌になる、彼女は一日もそれを思い煩わぬ日とてはなかった。住....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
胃の腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに暗い思想や死を
念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく認めて来た。今....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たいことでこの後とてもチベット旅行中いろいろの困難が起りましたが常に釈迦牟尼仏を
念うてその困難を忍んだことであります。
からインドのセイロンへ留学せられてその....
「牡丹灯籠 牡丹灯記」より 著者:田中貢太郎
をいちいち書き留めさした。その邪鬼の口供の概略をあげてみると 喬生は、 伏して
念う、某、室を喪って鰥居し、門に倚って独り立ち、色に在るの戒を犯し、多欲の求を動....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
仰向けの寝相をかえて、鼻くそをほじりながら―― この因縁を以ての故に 悲母の子を
念うこと 世間に比いあることなく その恩、未形に及べり こんどは、余り皆、黙っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
番を経て相謁して遇わず、空しく回っては惆悵怏々として云うべからざるものあり。切に
念う、備や漢室の苗裔に生れ忝けなくも皇叔に居、みだりに典郡の階に当り、職将軍の列....