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「念の為〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

念の為の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
全否定論法』或は『木に縁って魚を求むる論法』とは先週申し上げた通りでありますが、念の為めにざっと繰り返すと、或作品の芸術的価値をその芸術的価値そのものにより、全....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ことは確《たしか》に見ていたし、一度などは私も一緒に連れて行って貰《もら》った。念の為め主人と私の関係を話して置くと、私の父は幼時に維新の匆騒《そうそう》を越え....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろを殺しましたが、狐のありかは判りません。やっぱりここに隠してあるのかと思って、念の為にもう一度さがしに来たのです」 「まずこれで埓《らち》があきました」と、半....
雛妓」より 著者:岡本かの子
めて、わたくしたちは蓮中庵へ行ってもう一度雛妓に会ってみることにした。そのまえ、念の為めかの女が教えて置いた抱え主の芸妓家へ電話をかけてみる用意を怠らなかった。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ったかわりに、幾分か他の方より早く明るい世界に抜け出ることにもなりました。ここで念の為めに申上げて置きますが、私を指導してくだすった神様は、お姿は普通の老人の姿....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
は、大体平明で、穏健であるから、さして評釈の必要もないと思うが、初学者の為めに、念の為めに二三の注意を試みることにする。 『真人の出現』の条下に於て、数十年前に....
池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
の妖怪は形を現わさず、夜毎夜毎に石を投げるばかり。で、一同も少しく魂負けがして、念の為に石の最も多く降るという座敷にズラリと居列んで、屹と頭をあげて天井を睨み詰....
お住の霊」より 著者:岡本綺堂
しかし拙者の妻に限って毎夜左様な不思議を見るというも何分|解し難き次第、兎も角も念の為に一応詮議致して見ましょうと云うので、年古く召仕っている下女下男などを呼出....
河童小僧」より 著者:岡本綺堂
認めず、※って真実の人間を投込んだのではあるまいかと、半信半疑で其夜を明し、翌朝念の為に再び彼のドンドンへ往って見ると、昨夜に変らぬは水の音のみで、更に人らしい....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
僕等は発行所へはいる前にあの空罎を山のように積んだ露路の左側へ立ち小便をした。念の為に断って置くが、この発頭人は僕ではない。僕は唯先輩たる斎藤さんの高教に従っ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
った。 「お待ちなされませ、もしや人が立聞きにでも参りはしませぬか」 滝之助は念の為め見廻りに梯子を昇って外に出ようとした。 「ハテ、夜中にこの林間の一つ家、....
ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
で言った。 ――恐れ入りますが、先生の手の筋を拝見さして頂き度いのですが………記念の為めに」 余り宮坂の唐突な言葉に景子もやや呆れた。ガルスワーシーはなお受取....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
のけた(大抵の人は知っていると思うが、旅客機内の模様は上掲の如きものである。尚、念の為めに附記すれば、Aの座席に重役風の紳士が、Bの座席に商人風の男が坐っていた....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
ので、更に何の手懸りも無かった。或は首尾好く町の方へ逃げ延びたかも知れぬと、彼は念の為に兎に角も駈戻ったのである。 以上の報告を聞いて、市郎も色を変えた。対手....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
。彼是一時間かかって痿やしたものを、逸らすなんて、余り気の利かない話しだから、記念の為めに、今夜は帰るよ。』 漁『どんなのでも、懸ったら最後というが、真の釣だろ....