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怖い
「怖い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怖いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「運」より 著者:芥川竜之介
と》りでございます。――そう思うと、今まではただ、さびしいだけだったのが、急に、
怖いのも手伝って、何だか片時《かたとき》もこうしては、いられないような気になりま....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
くしめ》を見せています。それが濡手拭と石鹸の箱とをそっと胸へ抱くようにして、何が
怖いのか、往来の右左へ心配そうな眼をくばりましたが、すぐに新蔵の姿を見つけたので....
「百合」より 著者:芥川竜之介
金三は良平の、耳朶《みみたぶ》を掴《つか》んだ。が、まだ仕合せと引張らない内に、
怖い顔をした惣吉の母は楽々《らくらく》とその手を※ 《も》ぎ離した。
「お前さん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ようなまねをして、潤みを持った眼は可憐《かれん》にも何かを見詰めていた。
「やれ
怖い事するでねえ、傷《いた》ましいまあ」
すすぎ物をしていた妻は、振返ってこの....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
で、足を上げることも前にやることも思うようには出来ません。私たちはまるで夢の中で
怖い奴《やつ》に追いかけられている時のような気がしました。
後《うしろ》から押....
「星座」より 著者:有島武郎
も頼むものは母一人きりなのだ、その母がおぬいをまったく見忘れている夢らしかった。
怖いものを見窮《みきわ》めたいあの好奇心と同じような気持で、おぬいは今見た夢のそ....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
すっかりよくなってよ。夜中にお通じがあったから碁石が出て来たのよ。……でも本当に
怖いから、これから兄さんも碁石だけはおもちゃにしないで頂戴ね。兄さん……八っちゃ....
「海異記」より 著者:泉鏡花
嬰児が、何を知ってさ。」 「それでも夢に見て魘されら。」 「ちょいと、そんなに恐
怖い事なのかい。」と女房は縁の柱につかまった。 「え、何、おらがベソを掻いて、理....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
らなんだか。」 「はい、はじめて謡いました時は、皆が、わっと笑うやら、中には恐い
怖いと云う人もござんす。なぜ言うと、五日ばかり、あの私がな、天狗様に誘い出された....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
って、立構えをしながら、 「さあ、行こうか。」 「可いわ、もうちっと……」 「恐
怖いよう。」 と子守の袂にぶら下った小さな児が袖を引張って言う。 「こわいもの....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
だ。これは露西亜で毎に知らぬ犬を呼ぶ名である。「シュッチュカ」、来い来い、何も可
怖いことはない。 シュッチュカは行っても好いと思った。そこで尻尾を振って居たが....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
しかし遥かに遠いところに住んでいて、噂を聞くだけで本人を見たことのない人たちは、
怖い物見たさの向う見ずの好奇心に駆られて、日光を浴びて坐っているラザルスの所へわ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
と存じます。あんな武勇絶倫の御方でございますから、お目にかからぬ中は、どんなにも
怖い御方かと存じて居りましたが、実際はそれはそれはお優さしい御風貌なのでございま....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
して弱いものを保護することを生涯の仕事とした。詐欺師や殺人犯人達にとって、彼ほど
怖いものは無かった。という訳は、心の底にかくしている考を見破られ、一と眼で肚の中....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
ろでしたろう、十杯|許の船が一緒になって、文句を言いに来たです。』 漁『それは、
怖いこったね。』 船『全く怖かったです。此地の船を取り巻いて、「おい、お前は何処....