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「怖いもの見たさ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怖いもの見たさの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
蛇だろうとお通は思いまして、膳をそこに置いたままで慌てて引っ返そうとしましたが、怖いもの見たさに、扉のかげに隠れてそっと覗いていますと、梯子を降りて来たのは……....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
がった。半七は先へ立って元の料理屋へ引っ返すと、家じゅうの者はおどろいて騒いだ。怖いもの見たさで女中たちもそっと覗きに来た。 「おい、御亭主。気の毒だがこの河童....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まり心持のいい物ではありません。 ところが、前にも申す通り、好奇心と云うのか、怖いもの見たさと云うのか、こういうたぐいの観世物はなかなか繁昌したものです。もう....
地中魔」より 著者:海野十三
ッ、怪物だア……」 それッというので、人々は我勝ちに逃げ出した。しかしやがて、怖いもの見たさで、またソロソロと群衆は引きかえして来た。見ると、変な形をしたもの....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
けました。どうも唯事ではないらしいので、わたくしも竦んでばかりいられなくなって、怖いもの見たさに夜具からそっと首を出しますと、父は雨にぬれながら井田さんを抱え込....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
見ていられない、袖で面《おもて》を蔽《おお》うて急いで通り去るのが尋常の人です。怖いもの見たさの連中のみ遠巻きにして――それとても息を凝《こ》らして、片足は逃げ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
上るという騒ぎであります。 「狂犬《やまいぬ》が出た!」 ワァーッと叫びます。怖いもの見たさの店にいた連中は飛び出して見ると、ワッワッと逃げ惑う人畜の向うから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
して千仞《せんじん》の谷、底知れずの白水の谷に落ちて死んだ――というような伝説。怖いもの見たさの憧れから、お雪ちゃんは、もう今から、籠の渡しに乗ることに胸をとど....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の意外なる劇外劇で、場の内外は総立ちとなり、慌《あわ》てて逃げ惑うたものまでが、怖いもの見たさに立ちとどまって、事のなりゆきを注視しているの有様です。 そこで....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
ゃあねえ。早く帰れ。」 言いすててお父さんは横町へかけ込んでしまった。それでも怖いもの見たさに、おなおさんはそっと伸び上がってうかがうと、暗い大藪の中には提灯....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
またぞっとしました。 それだけで逃げて帰ればよろしいのですが、唯今も申す通りに怖いもの見たさで、わたくしは怖ごわながらそっと覗いてみると、その女の顔には見覚え....
決闘」より 著者:神西清
点や紅い岩脈のうえを樹の根が這い廻っている。頭上にはよく茂った針葉樹が枝を垂れ、怖いもの見たさの及び腰で下を覗いている。少しするとまた金切声と笑声が起こった。押....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
枕もとの襖が軋みながらに明いた。長い裾を畳に曳いているらしい衣の音が軽く聞えた。怖いもの見たさに、お菊は眼を少しく明けて窃と窺うと、うす暗い行燈の前に若い女の立....
生不動」より 著者:橘外男
は、眼を閉じた。しかしそれも瞬間! 倒れてパッと上から蒲団が被せられたと見ると、怖いもの見たさで一遍崩れ立った人垣はまた犇し犇しと廻りへ取り囲んで行った。方々か....
墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
も、あるいはそういう相談が纏まったのかも知れません。 翌る朝眼が醒めた時には、怖いもの見たさからか、好奇の色を泛べた村の若い者たちが七、八人、手に手に棍棒や鳶....