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怙
「怙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
ち出した風も僕の顔へ薄い塵《ちり》を吹きつけて来るのに違いなかった。僕は自然と依
怙地《えこじ》になり、とにかく四時になるまでは控室へはいるまいと決心した。
僕....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
うじ》のわたくしに意趣を含んだかもわかりませぬ。」
「すると数馬はそちの行司に依
怙《えこ》があると思うたのじゃな？」
「さようでございまする。わたくしは依
怙は致....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
まったのであるから、お光一人のためにこの掟を破ると他の者の取締まりが付かない。依
怙贔屓《えこひいき》をするなどという陰口もうるさい。そこで、失礼ながらそちらの都....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
きり、五日の間行方知れずになっちまう。」 「旦那、こうなると頂きてえね、人間は依
怙地なもんだ。」 「可いから、己が承知だから、」 「じゃ、め組に附合って、これか....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
石清左衛門｜直員から始まっている、降矢木家の紋章なんだよ。何故、豊後王｜普蘭師司
怙・休庵（大友宗麟）の花押を中にして、それを、フィレンツェ大公国の市表章旗の一部....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
いると取れた。それは急所を突いていた。そして、彼はとめられればとめられるほど、依
怙地になった。 「よさないか、おい、そんなことは……」と、山崎は云った。「郷票を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の時間になれば渡辺刑事がやって来る。下手な事をやられて、変に勘違いをされたり、依
怙地になられては困って終う。石子刑事は、気が気ではなかった。重ねて口を開こうとす....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
に糾《ただ》してみましたか」 「だめだ、あの小山すみれは。ああいう女は、一旦｜依
怙地《えこじ》となったら、殺されても喋《しゃべ》らないものだ。赤見沢はさすがにそ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
の上役が急いでゆくことをいぶかっていた。Ｋが車に乗ることをやめたのは、ある種の依
怙地さというものだった。この自分の件で他人の助けを借りることは、たといどんな小さ....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
大阪に詳しい。その後、東京に暮して東京も知るところが多い。従って批判する場合、依
怙贔屓がないといえよう。うなぎの焼き方についても、東京だ大阪だと片意地はいわない....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て総ての罪悪人を殺し、ただその中の善い人間即ちノアという者を救うたというような依
怙贔屓をする者である。チベットの神も皆｜然り。いわゆる人間の喜怒哀楽の情緒をその....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
であるけれど、どう双方の話がついたものか慧鶴の様子は一向変らない。これは馬翁に依
怙ひいきがあるからで、師匠としても許しがたい振舞いである。 それやこれや平常か....
「「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
わけだが、ジイドの言おうとするところは、むしろ、ルナアルのある種の「狭さ」と「依
怙地」とが、せっかくの花園を豊かに茂らせないでいるという意味であろう。 そこで....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
ことまでが書いてある。「平家物語」には同じ事を、 、加様の事に付てこそ、自らの依
怙も候へ。 とあるが、いずれにしてもこれらの放免が、庁の下部として罪囚を警護しな....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
の人間が仕出来しても、だからといってそれだけのまだ貫禄もないものに決してそんな依
怙の沙汰はしなかった。どこまでも東京人らしい律義さで、本末をはっきりと、立てるも....