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思い付き
「思い付き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い付きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
髪でいらっしゃるなり……いかが、わたしがすっかり仕立てて差し上げますわ」
この
思い付きは葉子には強い誘惑だった。葉子は一も二もなく勇み立って承知した。
その....
「家霊」より 著者:岡本かの子
》――この種の食品は身体の精分になるということから、昔この店の創始者が素晴らしい
思い付きの積りで店名を「いのち」とつけた。その当時はそれも目新らしかったのだろう....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
ている三階のネオンサイン電気看板から、被害者の身体へ導かれたものであり、そうした
思い付きや、高圧電気の取扱いは、岩田京四郎を除いて外の誰もが出来そうにないことか....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
ラジウムを、安全に獄外へ搬びだす工夫だった。まず大丈夫うまく行くと思われる一つの
思い付きだった。 その日、昼食が済んで、囚人たちは一旦各自の監房へ入れられ、暫....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
あそうなると可笑しなものでしてな、「オサ泉」も助手の杉本も、追々に心から自分達の
思い付きが如何にも張合のある有意義な営みの様に思われて来て、その後も相変らず事故....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
じゃ、とても身上の持ち直しは覚束ないですねえ。事業というものは片っぽうで先走った
思い付きを引締めて、片っぽうはひとところへ噛り付きたがる不精な考えを時勢に遅れな....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
ら人生の価値に関係して批評めく精神的の言葉を聞くのである。ほんの散歩の今の当座の
思い付きであるのか、それとも、いくらか考えでもした末の言葉か。 「そりゃ、そうに....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
表に出るその働きは水際立って効を奏した。 わたくしはそれを知っている故に、彼の
思い付きに充分な信頼を置くものの、お雛妓を聘ぶなどということは何ぼ何でも今夜の場....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、 ――水天宮様のだ、人形町の―― と申したでございます。電車の方角で、フト
思い付きました。銀座には地蔵様もございますが、一言で、誰も分るのをと思いましてな....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
でね。普通の定食料理が恋しくなったんです。」 夫人の調子は案の定、今口に出した
思い付きの一言に煽られてそれ者らしい飛躍を帯びて来た。 ――じゃ。お祭りに出た女....
「初雪」より 著者:秋田滋
てやるから――。 彼女は臑も足も露わのまま起ちあがった。そして、自分のこうした
思い付きが我ながら子供ッぽく思われて、彼女は思わず微笑んだ。 「あたしは煖房が欲....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
ても如何にも小気味よい態度であるが、同作品を貫く眼目が密室犯罪の解決に全然新しい
思い付きを見せようと意気込んだもので、作者が若いだけに途中興味が折々緩み勝ちにな....
「妖怪学」より 著者:井上円了
法を知りたるものにて、その下田にあるの際、手もとに適宜のテーブルなきゆえ、臨時の
思い付きにて、竹と蓋とをもってこれに代用したるならんと想像せらるるなり。しかして....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
を知りたるものにして、その下田にあるの際、手もとに適宜のテーブルなきゆえ、臨時の
思い付きにて、竹と蓋とをもってこれに代用したるならんと想像せらるるなり。しかして....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
残酷だとは思いながら私は麗子を通して妻の霊を招び出し、そのことを詰問してみようと
思い付きました。処が生憎その日は六条伯爵家に招かれて行って不在だというのです。 ....