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「思い付く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い付くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
お台場の一朱銀なぞは始終見ているくせに、なんにも気がつかずに過ごしていて、ふいと思い付くと、それからとんとんと順序好く運んで行くのも妙です。こうなると、自分の知....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ち槍の穂の冴えをためすのと、自分の腕の働きを試すのと、この二つであろうとは誰でも思い付くことであるので、江戸じゅうの槍術|指南者やその門人たちが真っ先に眼をつけ....
初蛙」より 著者:薄田泣菫
した。それにしてもマアク・トエンという人は、本当に碌でなしの、飛んでもない悪戯を思い付く男ですね。 蛙はスマイリイが自慢の奴のように、丹精して仕込みさえすれば....
鴫突き」より 著者:寺田寅彦
誌の読者の側から示教を仰ぐべきであろう。以上はただ全くの素人の想い出話のついでに思い付くままの空想を臆面もなく書付けて見ただけである。 (昭和九年十二月『野鳥』)....
置土産」より 著者:国木田独歩
もやる風流|気はありながら店にすわっていて塩焼く烟の見ゆるだけにすぐもうけの方に思い付くとはよくよくの事と親類縁者も今では意見する者なく、店は女房まかせ、これを....
わかれ」より 著者:国木田独歩
きぬ。自ら欺けるをかれはいつしか知りたれど、すでに一度自ら欺きし人はいかにこれを思い付くともかいなく、かえってこれを自ら誇らんとするが人の情の怪しき作用の一つな....
西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
た。云わば背水陣的な気持で引受けた次第である。そんな訳であるから、この一篇は畢竟思い付くままの随筆であって、もとより論文でもなく、考証ものでもなく、むしろ一種の....
お住の霊」より 著者:岡本綺堂
妹やましてその小児などが夢にも知ろう筈はなく、又曾てそんな事があったろうと偶然に思い付く道理もない。知っていればこそ心の迷いも起れ、知らぬ者の眼に怪しい影の映ろ....
性格としての空間」より 著者:戸坂潤
ということ。ここに人々は古典の内から二つの言葉を選んでこの二つを云い現わすことに思い付くであろう。それは「存在としての存在」と「真理としての存在」との区別である....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
紋太夫という海賊が船隊を率い大海を越え、こんな所へやって来ようとは、誰しも夢にも思い付くまい。 さて、それにしてもジョン少年ははたして土人に喰われたであろうか....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ちの境涯の暗闇を明るくするために、その滑車綱で人間をひっぱり上げようという考えを思い付く★時が、やがて来ることになっていたからである。しかし、その時はまだ来ては....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
易なことだろう! しかしこうやって思い付いて見ればきわめて容易のことではあるが、思い付くまでの苦心と云ったらまたひと通りのものではない。私はこの事を思い付くや否....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
里へ帰って別方面で救出す手段を講じようかしら……どうもそれがよかりそうだ……』と思い付くと彼れは動き出した汽車から飛び降りようとして、『危え、首領!』と二人の部....
活人形」より 著者:泉鏡花
立の茂りたる林の中へ行懸りぬ。月いと清うさしいでて、葉裏を透して照らすにぞ、偶然思い付く頬の三日月、また露れはせざるかと、懐中鏡を取出せば、きらりと輝く照魔鏡に....
俗臭」より 著者:織田作之助
ことにより、権右衛門は怒りを押えていたのだ。政江にいってやるべきいろ/\な言葉を思い付くことによって、辛うじて疳癪を押えていた訳である。殊に最後の「百万円」を考....