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「思い半ばに過ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い半ばに過ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
下の不道徳な範囲になって来るともう数限りないので、東京の新聞の案内欄を見ただけで思い半ばに過ぐるものがある。しかも震災後そのようなものの増加は特に著しく、一々挙....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
や老荘の道までもその荒い砥石として、あれほど日本的なものを磨きあげたのを見ても、思い半ばに過ぐるものがあろう。日本の国運循環して、昨日まで読むことを禁じられてあ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
である。又は水に潜って息を詰めている一分間と、雑談をしている一分間とを比較しても思い半ばに過ぐる事で、前者はたまらない程長く感ずるのに反して、後者は一瞬間ほどに....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
うな第六感の作用は人間ばかりに限ったものでない。広く動植物界を見渡してみると誠に思い半ばに過ぐるものがある……否……人間世界に現われる第六感の実例よりもずっと甚....
能とは何か」より 著者:夢野久作
よう筈がないのであるが、他国は知らず、日本には沢山に在るので、能を見るたんびに、思い半ばに過ぐるものである。ただ不思議というよりほかに仕様がないくらいである。 ....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
》のひろい意味の言葉を用うるにいたった本《もと》にさかのぼって、しずかに考えると思い半ばに過ぐるものがありはせぬか。大きなひろい意味の言葉を用うるときはしばしば....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
。すでに拙作『圓朝』の「初一念」の章を読まれた方々はこのくだりを読まれてたちまち思い半ばに過ぐるものあるだろう、こうした孝助の転々さは圓朝自身の少年時の姿を毫末....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
る。目のあたり見る今日のこの現象を以て、これを過去に引き当てて考えてみたならば、思い半ばに過ぐるものがけだし少からぬことであろう。今はただ過去における落伍者の動....
放免考」より 著者:喜田貞吉
官庁に使役せられたものまでが、非人を以て遇せられていた事から考えてみても、けだし思い半ばに過ぐるものがあろう。 放免が非人として待遇せられた事については、「江....