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「思い及ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い及ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無題」より 著者:夏目漱石
りいえば、われわれの方のものは personal のもので、作物を見て作った人に思い及ぶ。電車の軌道《きどう》は誰が敷いたかと考える必要はないが、芸術家のもので....
道標」より 著者:宮本百合子
、妻として、母として、お婆さんとしての社会保護が、社会契約で実現されていることに思い及ぶと伸子はやはり感動した。自分も女であるということに奮起して、伸子は元気を....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
正木先生の頭脳の非凡さと、その資産の莫大さとの二つの点に到っては、トテモ私どもの思い及ぶところでは御座いませんでした。取りあえず学問の方だけで申しましても、その....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
ものであるかは、今後の詳細な実験的研究によってのみ決定さるべきであろう。 次に思い及ぶものは、だれもが昔からよく問題にする、水の波や流れやまたは風による砂泥の....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
。かくて威された素人が、今云った誤られた――師範式――大衆概念である。 第二に思い及ぶものはジャーナリズムは出来ても、専門家達の業績の科学的価値――真偽――に....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
葉は至って倫理的な響を持っているのが常だ。世間では改革と云えばすぐ様人心の改革に思い及ぶだろう。曾て唱えられた国民精神や農村精神作興、警察精神の高揚、国体観念の....
黒百合」より 著者:泉鏡花
産しない、それだけ目に着きやすからぬ不思議な草を、不用意にして採集して来たことに思い及ぶと同時に、名は知るまいといって誇ったのを、にわかに恥じて、差翳した高慢な....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
大変に好いと思ったけれ共、お関達の承諾を受ける事は殆ど不可能な事だろうと云う事に思い及ぶと、どうしたものかと云う躊躇が起った。 そんな事を不用意に頼んでやった....
追憶」より 著者:宮本百合子
浮べると、病院の飯は不美味いと云うのは極く極く表面的な理由であったろうと云う事に思い及ぶのである。 彼は死ぬまで彼自身でありあらせ様とした。此頃は、或点までは....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
っきゅうじょ》とした気持になる。この頃私は自分たちの中にあるそういう貴重なものに思い及ぶ時、感動から涙をおとすことがある。自分たちの生きてきた五年の歳月というも....
些細な事件」より 著者:井上紅梅
り止んで往来はいとも静かであった。わたしは歩きながら考えたがほとんど自分のことに思い及ぶことを恐れた。以前のことはさておき、今のあの銅貨一攫みは一体どういうわけ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
その時は意外であり、あわただしい場合であったので、その若衆武士の何者であるかに思い及ぶことができなくてただ何となく若衆武士に、見覚えがあるというように思いなさ....
霊廟」より 著者:永井荷風
じ》の焔に脅《おびや》かされた。凡《すべ》ての物を滅して行く恐しい「時間」の力に思い及ぶ時、この哀れなる朱と金箔《きんぱく》と漆《うるし》の宮殿は、その命の今日....
『偶像再興』序言」より 著者:和辻哲郎
かくのごとき気分と思想とが漸次近代偶像破壊者の模倣に堕して行ったことには、ついに思い及ぶところがなかった。 予は当時を追想して烈しい羞恥を覚える。しかし必ずし....