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思い浮ぶ
「思い浮ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い浮ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
時からだんだん判然とした形を取りかけていた。 玄白は、良沢が一座にいると、心に
思い浮ぶ質問の半分も、口に出すことができなかった。良沢には、自分のきいていること....
「斜陽」より 著者:太宰治
どのように道徳に反しても、恋するひとのところへ涼しくさっさと走り寄る人妻の姿さえ
思い浮ぶ。破壊思想。破壊は、哀れで悲しくて、そうして美しいものだ。破壊して、建て....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
ていた。
それにしても、道の屈折、山のたたずまいに関しては、目をつぶっていても
思い浮ぶほど知っていた。たとえ今日の行程が、鳥の足型もない全くの新しい雪にしても....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
得期成同盟会」の成立したのは大正十三年のことである。 このような動きにつれて、
思い浮ぶのは福沢諭吉の「女大学評論」である。明治初頭の大啓蒙家の一人であった福沢....
「『健康会議』創作選評」より 著者:宮本百合子
婦人作家が書いている「病気と私」の明快さ、諷刺をふくむ明るさが、鋭い対照をもって
思い浮ぶようないまの日本の闘病の現実が描かれている。 悲劇の原因として文学作品....
「現実の問題」より 著者:宮本百合子
徒に対する女学生の敵愾心、反感を煽る有様について語ったことをも、現実の問題として
思い浮ぶのです。〔一九三三年十一月〕....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
奈良朝は七代の御代《みよ》ということだが、そのなかで女の帝様は……」 竜之助の
思い浮ぶ知識はこれだけのもので、その七代のうちにどのお方が女帝におわしまし、その....
「父の手帳」より 著者:宮本百合子
一番なつかしく思うのは、自分の仕事を心から好いている者としての父の姿に結びついて
思い浮ぶ様々の場面です。夕飯がすんで夜の九時頃、私が自分の勉強も一休みしようと部....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れっきりになったあの二人の山狩が、つかまえた鷲の子のことでありました。 それが
思い浮ぶと、お銀様は覆面の中で二三度うなずいて、 「わかりました、わかりました」....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あっさりとさばけた態度で、そう言われましたので、私の方でもすっかり安心して、
思い浮ぶまま無遠慮にいろいろな事をおききしました、その時の問答の全部をここでお伝....
「追憶」より 著者:宮本百合子
来ると、馳け出さずには居られない気持になったのを思い出す事が出来た。 うっすり
思い浮ぶ彼の室は非常に狭い廊下の突きあたりから二番目の灰色の扉の付いた部屋であっ....
「千世子(三)」より 著者:宮本百合子
子はついこの間書き上げた極く短っかいそいで可哀らしいものを京子に読んできかせたり
思い浮ぶ歌を歌の様な調子に唄ったりした。 だまって陽気な顔を見て居た京子はしみ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
西巣鴨で会ったことがあるという話の由。私は、ではあの人だったかと背の高い若い人が
思い浮ぶ範囲です。話らしい話はしたことなし。ことわられたからそれきりになっている....
「書物の倫理」より 著者:三木清
た一定の特色が貫いているというのが好ましいことだ。そういう色がすぐさま読者の頭に
思い浮ぶことのできるようにして貰いたい。それが本屋の倫理ではないかと思う。 善....
「はつ恋」より 著者:神西清
、それともだらしない調子はずれな話になるか、そのどっちかです。もし宜しかったら、
思い浮ぶだけのことをすっかり手帳に書いて、読んでお聞かせしようじゃありませんか」....