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「思い立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
築して、電化装置にしたのは、彼女が職業先の料亭のそれを見て来て、負けず嫌いからの思い立ちに違いないが、設備して見て、彼女はこの文明の利器が現す働きには、健康的で....
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
かと思って宿を出ましたが、途中でなんだか寂しくなったので、ふいとこちらへ伺おうと思い立ちました」 吉原へ行くのがなぜさびしいか、それは栄之丞には判らなかった。....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
ちの筋道は飲み込ませられるかも知れないがその実質はとても覚束ない。それほど今度の思い立ちは情緒の肌理のこまかいものだ。いまはむしろ小説なら表題を告げて置くだけの....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
ので、せめてりっぱな子供を生んで、その子を先祖に負けないえらい学者に仕立てたいと思い立ちました。そこで、ついお隣の和泉国の信田の森の明神のお社に月詣りをして、ど....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
うの浪人者などが知恵を授けたのではないかと思われたが、彼はどうしても自分ひとりの思い立ちであると言い切っていた。右の十軒あまりの中で金を出して置いたのは和泉屋と....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
しいのでありますから、容易に読破されるものではありません。わたくしが今日の会合を思い立ちましたのも、一つはそこにありますので、現代のお忙がしい方々に対して、支那....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
せん。小生は、公の機関で、ひとつ、模範的なアパートあるいは集団住宅の設計と建設を思い立ち、志望者を募つて、これを厳選したうえ、徹底的な住生活改革の先駆運動に乗り....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
したまま、再び大阪へ舞い戻って来た丹造は、妙なヒントから、肺病自家薬の製造発売を思い立ち、どう工面して持って来たのか、なけなしの金をはたいて、河原町に九尺二間の....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
んでおりますから、その埋め合せと申すのでもありませんが、今度は何か描いてみようと思い立ちまして、二尺八寸幅の横物に、明治十二、三年から四、五年どこの、女風俗を画....
画道と女性」より 著者:上村松園
になるまでには長い年月もいることだし、それには相当の資力も費るし、決して軽々しい思い立ちがすぐものになると思っては間違いです。――私はそういう意味の手紙を書いて....
迷信解」より 著者:井上円了
きたれば、あしき妖怪の所業なりとひとりささやきながら行くほどに、これを捕らえんと思い立ち、急に歩みを進めければ、追うものありてのがるるがごとく、急に逃げ去り、わ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
場に至る。その紀行は別編目となす。 明治四十四年七月、英京ロンドン客中にわかに思い立ち、北極海観光の一行に加わり、欧州最北地点なるノルウェー・ノールカップにお....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
る。 「貴様は煤煙防止を叫んで、産業を破壊し、国家の秩序を乱し、空中国家の設立を思い立ち、わが大和島根の国憲を危くするがごとき態度に出たことは実にけしからぬこと....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
六条村手下大西屋庄左衛門・大和屋喜三郎・住吉屋安兵衛より、旧|銭座跡開発のことを思い立ち、天部・川崎・蓮台野等の仲間村にも故障なき旨年寄の連署を得て、東町奉行所....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
び夫人の遺書を探すよすがもないと私は考え、念のためもう一度全力をあげて探すことを思い立ち長い間かかって厳密に調べたのです。すると夫人の愛用していたこの文机の抽斗....