思い至る[語句情報] » 思い至る

「思い至る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思い至るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
の者の一生を考えるより先に、自分の心に満足を与えるのじゃあないか? 私はここに思い至ると、今までのすべてがグザグザに壊《くず》れてしまうように思われた。 考....
山本有三氏の境地」より 著者:宮本百合子
るのだ。」允子はそれによって「子は社会に生れ、母は社会に生きるのだ」ということに思い至る。そして、長い苦しみの中から初めて光を認め、また元の仕事をやって行く決心....
源氏物語」より 著者:紫式部
頼することでようやく過去の不幸も慰められていく時に自分は過失をしてしまったことに思い至ると、宮を少しでもお愛しする心になっていたことが恥ずかしくてならない。あの....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
バカらしい茶番は、モリエールでも思いつかなかった。ギリシャの天才もこんなギャグに思い至ることができなかった。茶番が発生する地盤には、もっと高い文化生活があって、....
範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
るだけに止めなければならない。ヘーゲルがそれである。 * この立場に於て直ちに思い至るのはアリストテレスの範疇であるであろう。所謂十個の範疇の内最も重大なのは....
駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
心を欺いてわずかに良心の呵責を免れていたが、今宵この月の光を浴びて来し方の詐欺に思い至ると、自分ながら自分の心のあさましさに驚かれる。 私は今改めて自白する、....
霊的本能主義」より 著者:和辻哲郎
、人は初めてその本体に帰る。本体に帰りたる人は自己の心霊を見神を見、向上の奮闘に思い至る。かの芸術が真義愛荘の高き理想を対象として「人生」を表現するはこれがため....
男の子を見るたびに「戦争」について考えます」より 著者:小川未明
、東西、国を異にし、また種族を異にしても相違のある筈はないでありましょう。こゝに思い至るたびに、私は、戦争ということが、頭に浮び、心が暗くなるのを覚えます。 ....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
の感情とはいえ譫言のような言葉に興奮して、殺人罪まで犯すようになった自分の愚さに思い至ると、全身恥と悔のために冷汗をかきます。 私の昼夜は煩悶の連続です。ああ....
食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
作者の姿であり、善かれ悪しかれ、自分というものが出るのであります。一度このことに思い至ると、例えばどんなことでも、他人任せということはできなくなります。全くほん....