思い遣る[語句情報] »
思い遣る
「思い遣る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思い遣るの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄昏」より 著者:宮本百合子
の方に在った。そこからはるばる下谷まで出かけて来、また麹町まで行こうとする心持を
思い遣ると、おくめは、そぞろに可哀そうになって来た。 やっと二十になったばかり....
「樹蔭雑記」より 著者:宮本百合子
の部屋で、広い寝台の上に安眠して居るだろう彼の様子を心に描いて見た。 母の書を
思い遣る時、自ずから、彼女の胸を満たす、無限に静穏な感謝が、鎮まった夜の空気に幽....
「無題」より 著者:宮本百合子
此の魂の中に生きて居るのを見出したのである。 私はどんなに深くいとしく、故国を
思い遣る事だろう、どんなに懐かしく「私達の言葉」に聴き惚れる事だろう。 我土よ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぞみを抱いていたろうに。――故郷は何処か。親はあるのかないのか」 そんなことを
思い遣ると、又八はいやな気持に襲われて、武者修行の一生を考えているのか、自分の身....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
高な心情の美であるとか、尊いものであるとかで、そんな愛しみを持って、今、この時、
思い遣ることはできなかった。
しばらくの間――そうして俯ッ伏したまま、土のにお....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
武蔵の心は、そこにあったのである。細川家の寵遇に対して彼がいかに感銘していたかも
思い遣ることができる。同時に、当時の侍の通念である「武士道の完璧」が最期の死に至....