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思わしい
「思わしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
思わしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
っているばかりだった。そして自分のからだがずっと高まってやがてまた落ちて行くなと
思わしいころに、窓に近い舷《げん》にざあっとあたって砕けて行く波濤《はとう》が、....
「或る女」より 著者:有島武郎
になった。そして倉地が忍ばねばならぬ屈辱を埋め合わせるために葉子は倉地が欲すると
思わしい激しい情欲を提供しようとしたのだ。そしてそうする事によって、葉子自身が結....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
けだった。二つの生命は昏々《こんこん》として死の方へ眠って行った。
丁度三時と
思わしい時に――産気がついてから十二時間目に――夕を催す光の中で、最後と
思わしい....
「星座」より 著者:有島武郎
小さく金剛石のように光っていた。
「学校は休んだの」
眼をつぶりながら、それと
思わしい方に顔を向けて清逸はいってみた。
「一時間目は吉田さんだから……僕に用と....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
めに然るべき奉公口を探していた。なるべく武家奉公をと望んでいたのであるが、どうも
思わしい口が見つからなかった。しかし町家ならば相当の口があると、その人が親切に言....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
近所へ忍んで、怪しい光りを放っていく女の正体を見定めようと決心した。 きょうも
思わしいあきないもなしに、彼はいつもより早く帰った。そうして、夜の更けるのを待っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
気をつけろ」 多吉は承知して帰った。 それから半月ほど経ったが、多吉も源次も
思わしい成績をあげることが出来なかった。その報告はいつも同じことで、夜になっては....
「鮨」より 著者:岡本かの子
逢ったからともよにお茶でも御馳走しようといって町筋をすこし物色したが、この辺には
思わしい店もなかった。 「まさか、こんなものを下げて銀座へも出かけられんし」 「....
「親子」より 著者:有島武郎
うに彼の胸の底に沈むのを覚えた。不思議な感激――それは血のつながりからのみ来ると
思わしい熱い、しかし同時に淋しい感激が彼の眼に涙をしぼり出そうとした。 厠に立....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たり、飲みたくもねえ小料理屋へはいったりして、出来るだけ手を伸ばして見ましたが、
思わしい掘出し物もありませんでした」 「そこで、大体どんなことだ」と、半七は訊い....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
ある位置におかれた最初の手柄をたてようとして、たいへん焦りぬいていたが、なかなか
思わしい報告が入って来ない。 そのうちに、三時間は経過し、やがて四時間が空費さ....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
やく一つの古い町にたどり着いて、さてどこを一夜のやどりとしたものかと考えましたが
思わしい所もありませんので、日はくれるししかたがないから夕日を受けて金色に光った....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
は相手にならなかった。お筆はさらに近所の雇人|請宿へ頼みに行ったが、右から左には
思わしい奉公口も見いだせないらしく、二月の末まで溝口家にとどまっていた。 「お筆....
「有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
は相手にならなかった。お筆はさらに近所の雇人|請宿へ頼みに行ったが、右から左には
思わしい奉公口も見いだせないらしく、二月の末まで溝口家にとどまっていた。 「お筆....
「当今の劇壇をこのままに」より 著者:岡本綺堂
ングなどは受けないのだそうですな、それで自由劇場のような団隊が沢山あるが、それも
思わしい决算を見ないで行悩み勝ちだという。 私は見物は進んで行くし乳がなくても....