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「思入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
首を縮める時、先方は格子戸に立かけた蝙蝠傘を手に取って、またぞろ会釈がある。 「思入れ沢山だ。いよう!」 おっとその口を塞いだ。声はもとより聞えまいが、こなた....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
惨な声々に、札木合《ジャムカ》はつと立ち停まり、振り返って、不安と恐怖に駆られる思入れ――暗転。 第一幕 第二場 同じく城内、本丸の大広間。石で畳みた....
二重心臓」より 著者:夢野久作
で、等々力久蔵が柳仙夫婦から娘の三枝を借受け、それとなく三枝に左様ならを云わせ、思入れよろしくあって退場する。そのままの場面で日が暮れると生蕃小僧が忍び入り、柳....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
ベルガー夫人に見せて、何かいった。ベルガー夫人が、両手を胸の前にあげ、ほっとした思入れで肩をうごかした。 僕は、さっきベラン氏がしたように、戸棚の上から、どさ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ございません」 その謝罪の仕方も、かなり大仰でしたが、伊太夫は是非もないという思入れで、 「よしよし、金だけだろうな、ほかに盗られたものはあるまいな」 「あの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
。百のはいたずらでやるのだが、こいつのは職務――ではない、病だ、うるさい、という思入れで、無言に竜之助が歩き出すと、 「エヘ、ヘ、送られ狼――こっちが気味が悪い....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
「まアお互に、郵便屋さん等は何んとはなしに目にははいらん方ではある」ブラウンは思入れ深げにいった、「だがしかし、郵便屋さんだとて外の人間と同じように感情を持っ....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
首うって三井寺へ駆けつけさっしゃれ』(片膝つき右の手で頸を叩く) 源右衛門(深い思入れ)『それじゃ、そなたは何もかも、承知の上での旅立ちか』 源兵衛『きのう一同....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
するのだ。 (高田は笑いながら中二と再び顔を見合わせ、とても云っても無駄だという思入れ。中二もあきらめたように首肯く。李はやがて立上る。) 李中行 いつも云うこ....
勘平の死」より 著者:岡本綺堂
ら、なおさら出来がいいと皆んなも褒めていたのだ。 和吉 その手負いの台詞まわしや思入れが稽古の時よりよっぽど念入りだとは思いましたが、ふだんから芝居上手の若旦那....
山道」より 著者:中里介山
覚えてはいません」 「あの歌があれが大変なものですよ」 学生のうちの一人、特に思入れがあって七分の感歎に三分の余情を加える。 「大変とは、どういう意味に……」....