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「思弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

思弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
しゃのく》に馬轡《ばひ》を執《と》らせ、潜《ひそ》かに王城を後ろにした。が、彼の思弁癖は屡《しばしば》彼をメランコリアに沈ましめたと云うことである。すると王城を....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
わないかい。だいたいこういった古風な家で、書架に必ず姿を現わすものと云えば、まず思弁学でヴォルテール、文学ではゲーテだ。ところが、そういった古典文学が、あの女に....
科学論」より 著者:戸坂潤
科学のエンサイクロペディー』に於て、一切の科学を弁証法的な、乃至より正確に云えば思弁的な、体系の夫々の一部として吸収することに成功したように見えたのである。ただ....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
発達を遂げた世紀であった。之によって提供された魅惑的に豊富な新しい諸材料は、宇宙思弁的な――ロマンティークを代表とするような――当時の哲学を刺激して、自らをこの....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
ことは勿論であるが、それだけでなく、これは特に実験に対立するスペキュレーション(思弁)を往々にして意味したことが、学問の歴史の教える処だろう。 だから観察や実....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
されよう。思うに漱石はイギリス風の実証家であった。そのことは『文芸論』に現われた思弁の内によく出ている。だが、それというのも、実は漱石が学究ではなくて、その本質....
辞典」より 著者:戸坂潤
いない。結局は、社会・社会問題・社会生活等々に就ての先験的・超越的・形而上学的・思弁的、其他の研究・考察の謂いだと一応考えてよい。例えばグンプロヴィチ L. G....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
れば、結果は予期に合すべきを信ずるが故にあえて惑う事なしとするも、いまだ科学的の思弁に慣れず原因条件の分析を知らざる一般観者は不満を禁ずる能わざるべし。また場合....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
しいヤワな学識であったと判断してよろしかろうと思う。出隆教授や森田草平氏の過去の思弁生活に於ける実質をもとめれば、彼らがその専門的学識に残した業績が、ほゞゼロに....
空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
あろう。結果を約束しない仕方、それは最も非方法的である。吾々の分析はかかる煩瑣的思弁と混同されてはならない。 * この場合分析の(実は捏弄の)源泉となり得るもの....
省察」より 著者:デカルトルネ
いて論じたのである、と。また私は信仰、あるいは処世に属することがらではなく、ただ思弁的な、そしてもっぱら自然的な光によって認識せられた真理を検討したのである、と....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
に似ているか、と云えば、そのどれよりもパンパンに似ているらしく思われるが、そんな思弁は長崎では通用しないね。丸山は現代の物ではないですわ。よってパンパンではない....
」より 著者:坂口安吾
れば、たぶんランニングよりも柔道の方が泥棒泣かせに近づいているだろうというような思弁をどうして人に打ち開けることができよう。 しかし、部長は追求をゆるめるわけ....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ることで、論証的に論断しても、予言は予言である。 むしろ現代においては、論証的思弁的でない予言はないと云ってよい。それらの易断所は太平洋戦争の時には日本の大勝....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ない論陣を張って、時々奇兵を放っては対手を焦らしたり悩ましたりする擒縦殺活自在の思弁に頗る長じていた。 勿論、演壇または青天井の下で山犬のように吠立って憲政擁....