怠い[語句情報] » 怠い

「怠い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怠いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
するのか、僕は筋肉がゆるんで、がッかり疲労し、手も不断よりは重く、足も常よりは倦怠いのをおぼえた。 僕の過敏な心と身体とは荒んでいるのだ。延びているのだ。固ま....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
眼を開いた。一つ大きな欠伸をした。 「ああ素晴らしい夢を見た。……だが何うも体が怠い」寝台の上へ起き上った。 「お若いの、どうだった?」その時側で人声がした。そ....
旅愁」より 著者:横光利一
いた。 久慈はゆるく車をもと来た方へ女神を廻らせていった。解き放されたような気怠い疲労の眼で女神の顔を見ているうち沈み加減なその横顔の美しさに彼は胸が不思議に....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
る中から亀戸の江東梅のとさわぎまわって蕾一つ綻びたのを見つけてきても、それで寒い怠いも言わず、鬼の首を取りもしたかのように独り北叟笑んで、探梅の清興を恣にする。....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
魂を激しい愛――愛と云うものを理解した愛――でインスパイアしてくれるどころか、只怠いくつな寄生虫となって、無表情の顔を永遠の墓場まで並べて行かなければならない―....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
現と幻との見境さえ附きかねた。その上、寒気はする、頭は重し、いや、耐らぬほど体が怠い。夜が明けたら、主人の一診を煩わそうまでは心着いたが、先刻より、今は起直る力....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
米八 それは、綾にからまっている絆を、ようやく解きほどいたという感じだった。倦怠いような、銷沈いような、頭の血がすっと下ったという感じで、まるで夢見るような気....