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怠屈
「怠屈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怠屈の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
いってみて、差入れ許可の品目の中に葡萄酒とビールの名がはいっているのを見出して、
怠屈まぎれにそのどっちかを飲み覚えようと思った。ビールはにがくていけない。葡萄酒....
「みつばちのきた日」より 著者:小川未明
たときから、この桜草が好きになりました。 「あーあ。」と、このとき、だれやらが、
怠屈まぎれにあくびをしていました。 雪割草は、桜草のいったことに、同感しました....
「ものぐさなきつね」より 著者:小川未明
そして外へ出ることを許されませんでした。 哀れな鶏は、小舎の中にいて、どんなに
怠屈をしたでしょう。ただじっとしていて、耳に聞くものは闇の中に狂う風と雪の音ばか....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
え、積極的には、間違ったことを伝えなくとも、そこに、喜びがなく、たゞあるものが、
怠屈ばかりであったら、それは、何も与えなかったことになるばかりでなく、徒らに、読....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
の風景画などに、よく三十号位いもあるのがありますが、それは大変面白くないもので、
怠屈な下等な感じのするものであります。何んといってもガラス絵は、小品に限ります。....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
は同じ型ばかり作り度がる故に危険である、結局均一の人類の無数が製造されて、人間は
怠屈して了わなければならない不幸が現れる。 私は従って変化ある面白い構図は、自....
「二通の書翰」より 著者:田中貢太郎
どうかお遊びに往ってくださいまし」 主翁が一所懸命になって云うので、避暑に来て
怠屈している時であったから、時間つぶしにと思って番地を聞いたうえで出かけて往った....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
浜屋の人達は、炉端《ろばた》に額を鳩《あつ》めて、飽々する時間を消しかねるような
怠屈な日が多かった。
「さあ、こんな事をしちゃいられない」
朝の拭《ふき》掃除....
「挿話」より 著者:徳田秋声
のお絹を連中から喰みだしてはならなかった。お絹なしには芝居見物はむしろ無意味で、
怠屈で、金の濫費であった。お絹に働きかけてゆく気は、今の彼にはないといった方が確....
「樹氷」より 著者:三好十郎
私にはわからないわ。でも私はこんな女で、なんにも面白い所が無いもんで、敏行すぐに
怠屈するらしいのね。 敦子 そんな、そんな馬鹿な、あなたそいじゃ、まるで―― 木....
「童子」より 著者:室生犀星
て坐っているのさえ厭だった。「おれはおれ自身をどうしていいのかさえ分らない。何て
怠屈で不愉快なダラけた気もちだろう。」と思えた。 「おれはちょいと医者のところへ....