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怠惰
「怠惰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怠惰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
「新思潮」に、一度掲載されたものである。
この期間の自分は、東京帝国文科大学の
怠惰なる学生であった。講義は一週間に六七時間しか、聴きに行かない。試験は何時《い....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
には、――時には中流上層階級の青年にも妙に他人らしい憎悪を感じた。彼等の或ものは
怠惰だった。彼等の或ものは臆病《おくびょう》だった。又彼等の或ものは官能主義の奴....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
入っている。というのは何も風景だの、気候だのに愛着のある訣《わけ》ではない。実は
怠惰《たいだ》を悪徳としない美風を徳としているのである。
博学なる君はパンデン....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
狭い日本では、碌《ろく》でもない人間が殖《ふ》え過ぎて甚《はなは》だ困っている。
怠惰者《なまけもの》や意気地無しがドシドシ死んでしまえば、穀潰《ごくつぶ》しの減....
「河明り」より 著者:岡本かの子
事務員の労った声が桟橋から響いた。娘はポケットを押えてみて、窓からお叩頭をした。
怠惰なエンジンの音が聞えて、機船は河心へ出た。河と云いながら、大幅な両岸は遠く水....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
に、船頭殿は稼ぎ時、土方人足も働き盛り、日脚の八ツさがりをその体は、いずれ界隈の
怠惰ものと見たばかり。小次郎法師は、別に心にも留めなかったが、不意の笑声に一驚を....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
って、突当の煉瓦の私立学校と背合せになっている紋床の親方、名を紋三郎といって大の
怠惰者、若い女房があり、嬰児も出来たし、母親もあるのに、東西南北、その日その日、....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、あわれ泰山崩るるといえども一髪動かざるべき身の構え。砥石を前に控えたは可いが、
怠惰が通りものの、真鍮の煙管を脂下りに啣えて、けろりと往来を視めている、つい目と....
「城」より 著者:カフカフランツ
うのは、彼らがここで送る生活もそういいものじゃないし、彼らがこれまで楽しんできた
怠惰な生活も、ここでは少なくともその一部分はやめなければならないんだから。という....
「審判」より 著者:カフカフランツ
。他人の手によって加えられるどんな妨害も、クリヒの愚かさとラーベンシュタイナーの
怠惰とカミナーのいやらしいはいつくばるような卑屈さとほどには、大きいはずがない。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
落さずに居るというのも、つまりこの問答法が基礎となって居る。
確かにこの問答が
怠惰なるチベット人、蒙昧なチベット人を鞭撻して幾分仏教の真理に進ませるので、半開....
「西航日録」より 著者:井上円了
よりも、なお勤倹の力に富むといわざるべからず。要するに、勤倹の結果は富強となり、
怠惰の結果は貧弱となるは、渡世の常則にして、動かすべからざるものなり。ゆえに、わ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
んなことを平気で教える…… 「勤倹にして、学に励むものは、常に富み、無学にして、
怠惰なるものは、常に貧し。安田善次郎は勤倹を重んじ、五十年にして八億万円の富を貯....
「民衆芸術の精神」より 著者:小川未明
、生産の豊富から、物資の潤沢をのみ夢むような輩は、尚お、心にブルジョアの、安逸と
怠惰の念が抜けきらないからです。私達、真の無産者は、喜びを共にし、苦しみを共にし....
「夕暮の窓より」より 著者:小川未明
ある。――私は、無意味の時間と、労働とを悪む。而して、考え、感じ、味わんがための
怠惰と休息を好み、あきらめ醒めたるものゝ自殺を喜ぶ。 日は暮れた。夕暮の一時は....