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急劇
「急劇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急劇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
もに円卓をめぐりて黙坐《もくざ》したり。夫人は三分二十五秒の後《のち》、きわめて
急劇なる夢遊状態に陥り、かつ詩人トック君の心霊の憑依《ひょうい》するところとなれ....
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
影響は有史以来まだ受けていなかったと云うのが適当でしょう。日本の開化はあの時から
急劇に曲折し始めたのであります。また曲折しなければならないほどの衝動を受けたので....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
釈も全く昔の通りであった。進歩もしない代りに、退歩もしていなかった。廿世紀のこの
急劇な変化を、自分と自分の周囲に恐ろしく意識しつつあった私は、彼の前に坐りながら....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
講になかという価値もないから、すぐ話してしまう、この時まで気がつかなかったがこの
急劇なる方向転換の刹那《せつな》に余と同じ方角へ向けて余に尾行して来た一人のサイ....
「明暗」より 著者:夏目漱石
ならなかった。彼女は黙って前後|二様《によう》の自分を比較して見た。そうしてこの
急劇な変化の責任者として、胸のうちで、吉川夫人の名前を繰《く》り返《かえ》さない....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
割り切れる訳のものではない。今度は左《ひだ》りの方を伸《のば》して口を中心として
急劇に円を劃《かく》して見る。そんな呪《まじな》いで魔は落ちない。辛防《しんぼう....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
った。そうして余の頭の上にしかく卒然と閃《きら》めいた生死二面の対照の、いかにも
急劇でかつ没交渉なのに深く感じた。どう考えてもこの懸隔《かけへだ》った二つの現象....
「手紙」より 著者:夏目漱石
《あなた》にお任せするからよろしく願いますと言ったなり、平気でいた。刺激に対して
急劇な反応を示さないのはこの男の天分であるが、それにしても彼の年齢と、この問題の....
「今日の文学に求められているヒューマニズム」より 著者:宮本百合子
。一方、この四五年間における社会情勢の激動はこれまで純文学の読者であった中間層の
急劇な経済事情の悪化をもたらした。経済事情の悪化は、原因として日常のこまかいもの....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
がどれだけか、屋形の空気を暗くしていたことだろう。 明治維新後はさすがの名家も
急劇に衰えた。それには世間の圧迫もあったには違いないが、この屋形の主君の所為が、....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、約一センチぐらいの等間隔に置かれた相当堅い物質が、約八十度の角度で、下から上へ
急劇にこすりつけられて出来たものだという事が判ります。……一体どういう物質がこん....
「政事と教育と分離すべし」より 著者:福沢諭吉
政治は人の肉体を制するものにして、教育はその心を養うものなり。ゆえに政治の働は
急劇にして、教育の効は緩慢なり。例えば一国に農業を興さんとし商売を盛ならしめんと....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
は面白半分の暴行が、
怪しげにはかどるのを見ていました。
そのうちに思い掛けず、
急劇に
新しい帝王が擁立せられました。
それから群集が指図|通の路を取って、
野....
「鴉」より 著者:シュミットボンウィルヘルム
ておくれ。おいらはもう二日このかたなんにも食わないのだ。」 青年の常で、感情は
急劇に変化する。殊に親の手を離れて間のないものが、のっぴきならぬ場合になると、こ....
「それから」より 著者:夏目漱石
の頼むは本当の意味の頼むか、又は単に辞令上の頼むか不明だけれども、平岡の一身上に
急劇な変化のあったのは争うべからざる事実である。代助はその時はっと思った。 そ....