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急場
「急場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《あんどん》へ眼を外《そ》らせました。
「あいつが使いおった金でもあれば、今度も
急場だけは凌《しの》げたかも知れぬ。それを思えば勘当《かんどう》したのは、………....
「星座」より 著者:有島武郎
ことだった。そして咄嗟《とっさ》に、習慣的になっている彼の不思議な機智は彼をこの
急場からも救いだした。
「戸沢は夢でも見たんだろう。……あ、解った。戸沢はその男....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ことしの一月から新吹きの一朱銀を発行したので、俗にこれをお台場と呼んだ。もちろん
急場凌ぎに発行したものであるから、銀の質はすこぶる悪い。台場築造はなかなかの難工....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
一撃のもとに仆された。相手は中々|手強い。私の左腕はちぎれるように痛みを増した。
急場だ、ヒラリと二度目に怪漢の腕をさけると、三度目には身を沈め、下から相手の脾腹....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
検事に判ったのは、その電球が、昨今はほとんど見られない炭素球だと云う事で、恐らく
急場に間に合わせた調度類が、永らく蔵われていたものであろうと想像された。法水の眼....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れに道鬼殿は一心こめて、戦車考案中でございます」 「うん、それも知っている。が、
急場の役には立たぬ。源五郎行って呼んで来い!」 「は」と源五郎は小走って行った。....
「一坪館」より 著者:海野十三
「みんな源ちゃんのお手柄だよ。あわてないで、正しいと思ったことをやりぬいたから、
急場をのがれたんだよ。しかし源ちゃんは気の毒ね。わたしをすくってくれたのはいいが....
「火星探険」より 著者:海野十三
はこのとおりぼくの腰にぶら下っている袋の中にあるんだ。占ってみると、たしかに今の
急場は大丈夫しのげるとお告げが出たぞ。安心しろ」 「え、お告げが出たか。そうか。....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
台の上で、そっと涙をのんだ。 (ポニーほしい) と思ったが、それは、どうにも、
急場の間にあうはずがなかった。 「じゃあ一つ、空中サーカス道具を手に入れ、ついで....
「地球要塞」より 著者:海野十三
島の秘密まで、知られてしまうであろう。これでは全く話にならぬ。なんとかして、この
急場を取り繕《つくろ》って、逃げ出さねばならない。 (どうしよう。どうすれば、彼....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
分け、別々の排流管に流しこまなければいけない」 「それはずいぶん面倒なことだね。
急場の間に合わないや」 「でも、それをやって置かないと、君たちの生命に係る」 「....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。もともとこれは、彼の想像として腹にあったこと。ただ、大塩沙漠のあの熱気だけは、
急場の凌ぎに絞りだしたのではあるが……。 その、たんなる想像が本物になる。少く....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
っと凄くなっちゃう。」と、艶やかな笑顔をしてみせた。 妹の思いがけない奮闘で、
急場の難儀を逃れたことを、嬉しく思うものの、しかし新子の心境はみだれていた。 ....
「座右第一品」より 著者:上村松園
その時は、幸いにも大事になりませず、別に避難もしないで済んだわけですが、そうした
急場で咄嗟の間に思い当らせられるほどに、縮図と写生の帳面は強い深い思い出を持たさ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
方向を市内へと変えた。市内へ、宜しい、市内へいこう。けれどこれだけの人数に、この
急場でウマがまに合うはずはなく、彼らはみんな徒歩で行進しなければならなかった。全....